第17夜 ページ18
＊
駆けつけた駐屯兵の数が増えてくると、避難作業は大分スムーズになった。
その他の兵士は対巨人に尽力するが...項のひとつも削げずに死んでいく者がほとんどだった。
Aがつくった最終防衛ラインは辛うじて守られている。とはいえ、Aの目からは既に血か流れ出ていて、魔力の消耗の激しさがありありと理解できる。
視界が赤みがかる上、心臓から毛細血管まで どくどくと脈打つのをA自身 気持ち悪いほどに感じていた。
『調査兵団や憲兵はまだか！？』
彼女は、枯れかけの声で壁の上の兵士に呼びかける。
「まだだ！本部を出発したらしいという知らせはあるが...」
ようやく動いたか。とAが一息つく。
もう少しの辛抱だと自分に言い聞かせ、血の涙と鼻血を拭う。
その時、兵士達の叫び声が 一段と大きくなった。
何事かと前方を見ると、10mは超えそうな巨人が猛スピードで壁に__避難中の住民が集まっている、Aの後ろに向かってきた。
彼女は息切れをしながら重力弾を作り出す。
しかし、その巨人は Aの射程にはいると急激に速度を上げた。
まずい、そう思い 巨人に合わせて身体を反転させようとした。
『っ...！』
が、血の欠乏による目眩で よろけてしまい、彼女の後ろに巨人の侵入を許してしまった。
舌打ちと共に 右足に力を込めると、避難している人々と巨人の間に割り込む。
思っていたよりも巨人の進行速度が速く、巨人はAと1mもない 至近距離に迫っていた。
魔法を使う暇はない。
その判断は一瞬で済んだ。
Aは 大口を開けた巨人の歯を掴んで、口を閉じさせないようにする。
この時彼女の頭は、巨人の口の中にあった。
完全に力勝負である。
Aは背中に数々の悲鳴を感じた。
食べられる、と思ったからか。
巨人は噛めないと理解したのか、今度は手を伸ばした。
彼女はその手が僅かに動いたのを捉えると、巨人を持ち上げた。その歯を掴んだまま。
『はぁ...はぁ...あ゛あ゛っ！！』
渾身の力で巨人を投げ飛ばす。きっちり45°の角度で30m程飛ばしてから、重力弾をかました。
再び彼女の背中に伝わってる悲鳴。
...巨人以上の化け物でも見たかのような、そんな悲鳴。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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