第12夜 ページ13
＊
１ヶ月に１回程の頻度で繰り返される壁外調査。
その遠征に数回出かけ、Aがこの世界に降ってきて 1年がたとうとしていた時期だった。
一年弱という間 牢に籠らざるを得なかった彼女が読んできた本は、300冊を超えた。
巨人について、人間について。机上だけというのがなんとも言えないが、かなりの知識が詰め込まれた。
変わったこと。これが結構あるのだ。
一つ、エルヴィンが頻繁に来るようになった
とても嬉しそうな表情で 大量の本を持ってくるのだ。
一つ、リヴァイの口数が増えた
というか、舌打ちではなく会話をしてくれるようになった。
一つ、リヴァイが牢にわざわざ紅茶を持ってくる
とても美味しい。お気に入りを教えてくれたし、たまに珍しい茶葉も用意してくれる。
あの変わったカップの持ち方の理由も、教えてくれた。
一つ、リヴァイも本を持ってくるようになった
エルヴィンに言われたから、ではなく、「読め」と持ってくるもの。
さほどジャンルが固定されていないので、かなり楽しませてもらっている。
...そう、リヴァイが変わった
目付きは相変わらずだが、眉間に刻まれたシワは少しだけ薄くなった
...身内の死を乗り越えたか、受け入れたか、割り切ったか、どれかはわからないが、彼の中である程度片付いたのだろう
ほら、今日も彼が来てくれた
『こんにちは、リヴァイさん。お昼休憩ですか？』
「茶葉を仕入れたついでだ」
『ありがとうございます』
彼女はリヴァイの左手にあった本に目を止めた
彼はその視線に気付き、その本をAに渡す
『...鉱産物、ですか。そういえば、こんな専門書は久しぶりに見ましたね』
表紙を まじまじと観察する
「この前見つけた掃除用具専門店の店主からのもらいもんだ。本棚にあったらしいが、よくわからねぇから譲ると言っていた」
『ありがたく読ませてもらいます...店主さんに感謝ですねぇ』
ふにゃりと顔を緩ませた彼女は、先週も...と続けた
『物語集も譲っていただいたんてすよね？その前の高官インタビューの雑誌も...』
リヴァイはため息混じりに、気まずそうに開口した
「...買い物ついでにいろんな図書館に寄ってただけだが、俺が本の虫みたいに思われてるらしい」
『...いつもここに本を持ってきていたからですね』
「ああ。お前のせいだな」
『いつもありがとうございます』
「今日は礼が多いな」
『別に、通常運転ですよ』
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます！嬉しくて動悸が...！コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね！(｀ω´) (2019年6月17日 21時) (
レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます！キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡ｻｯ！ (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください！(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか？更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです！ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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