第９話｢#新しい生活､新たな波乱｣ ページ33
にじやでの共同生活を決めてから､早くも二週間が経った｡望がいなくなって､半年と三週間｡
｢よいしょっと……｣
Aは今日も自宅で荷造りに追われていた｡
俊平も礼も､一度に荷物を送るのは大変だということで､Aと同じように少しずつ引越しを始めていた｡
そして､Aにはもう一つ､乗り越えなければならない一件があった｡
｢“共同生活”？｣
｢はい｡お好み焼き屋の二階に共同スペースがあるんですけど､そこに引っ越そうかと思ってるんです｣
Aの向かいに座る園長は､きょとんとしながらもAの住所変更届に目を通す｡
｢共同生活なんて久しぶりに聞いたわー｡でもどうして突然？｣
｢……そこの方たちとは偶然知り合ったんですけど､色々助けてもらったというか……いつの間にか､私の帰る場所になってたというか……｣
｢そう……｡素敵な方たちなのね｣
｢はい！とっても｣
Aが笑顔で頷くのを見て､園長もお淑やかに笑う｡そしてもう一度書類を見た｡
｢以前の住所より少し遠くなってしまうのね……｣
｢はい｡でも通勤するには問題ない距離ですので｣
｢そうね｡朝番が難しいようなら､またその時は言ってくださいね｣
｢はい｡あの､それでですね｣
｢？｣
｢その件で一つだけ､園長先生に言っておかなければならないことがあって｣
｢あら……何かしら｣
そう｡共同生活するにあたって､Aの中で少しだけ気にかかるのが赤城家｡
偶然の事だったとは言え､担当している子の家族とひとつ屋根の下に住むというのは､保育士という仕事上園にも伝えておかなければならない｡
｢そう……陽君の御家族もそこで｣
｢はい｡このシェアハウスを立ち上げた方が､陽君パパの友人なんです｡偶然が巡り巡って……｣
｢確かに……受け持ってるお子さん家族と担当の先生が､同じ家で生活すると言うのは……｡その上お父様はシングルでいらっしゃるものね……｣
｢もちろん､仕事と私生活はきっちり分けるつもりでいます｡同じ屋根の下と言っても､他にもシングルマザーの方が二人いて､陽君と同い年くらいのお子さんがいらっしゃるので｣
｢あら｡ふふふ……っそれは賑やかねぇ……｡楽しそうだわ｣
｢はい｡それぞれが､それぞれの事情を抱えていて……足りない部分をみんなで助け合おうって｡私も……力になりたいと思いました｡成長したいなって｣
｢そう……｡分かったわ｡ただ､この事は内密にしておいた方がいいかもしれないわね｣
｢はい｡ありがとうございます！｣
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とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
