5 ページ13
｢……ああーっもう！！グサッと来た！グサッと！！
みんなに相談したらさ､そうやって､俺の柔らかいとこにグサッと切り込んでくんじゃないかって！
……だから相談するのにも逃げてたのかな｡
俺逃げてばっかりだ……｣
Aに｢逃げないで､誤魔化さずに｣と言われた時から､しくしくと痛み始めていた心に､改めて刺さっためいくの言葉｡
そうして､見透かされたように言われるのが怖くて､自分でも気付かない内に一線を引いて､逃げていた｡そんな自分が情けなくて､俊平は顔が上げられなかった｡
そこへ蒼介が俊平の目の前にしゃがみこむ｡
｢俊平｡俺は､みんなの悩みも､みんなでシェアしたいと思ってる！｣
｢あんたってホント､何でもシェアしたがるよね｣
俊平を励ますように､パン！と俊平の膝を叩く蒼介｡
俊平は改めてこの幼なじみの厄介さに笑みがこぼれる｡
｢ほんとお節介｣
｢よく言われる｣
｢……そうだよな｡いい加減漕ぎだせってことだよな｣
｢よーし！俺が背中を押してやる！ほれ！｣
｢うあー！｣
｢気合いだー！｣
｢気合いかー！！｣
だけど､どんな時も､こんな風にそばにいてくれる蒼介達に､今は感謝せずにはいられなかった｡
＊＊＊＊＊＊＊＊
｢こんばんは｣
｢おかえりぃ｣
｢先生！？｣
その日の夜｡一度家に戻ったAは､にじやを訪れた｡
今日は来ないと思っていた蒼介は､Aを見て驚きの表情で歩いてきた｡
｢LINEの返事的に､今日は来ないのかと思った！｣
｢やっぱり気になっちゃって……｡あの､陽君と大地君は……｣
｢大丈夫！仲直りした！｣
蒼介がそう答えると､Aはほっとした表情で｢そうですか……｣と呟いた｡
｢俊平達はちょっと遅れて来るけど､礼さんも来てるよ｣
｢礼さんも？｣
Aが二階へ上がると､大地がプレイするゲームを覗き込んでいる雫と､談笑する礼とめいくがいた｡
｢お！Aおかえり！｣
｢Aせんせー！｣
｢こんばんは｡礼さんも来てたんですね｣
｢ちょっと､A先生に見て頂きたいものが……｣
｢え？｣
Aがキョトンとする中､礼は置いてあったカバンから一冊のノートを取り出したあと､子ども達をめいくに任せて､Aを寝泊まりしている部屋へと連れていく｡
そしてお互いに正座して向き合うと､礼は持っていたノートをAへと差し出す｡
｢これ､チェックして頂きたくて｣
Aは礼からノートを受け取り､ペラリとめくる｡するとそこには､児童心理学に関することがびっしりと書かれていた｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 519人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - 楽しかったですー(^ー^)!!!今後の続きも楽しみにしてます♪ (2021年9月12日 0時) (
レス) id: ff2a1100bf (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんGirl(プロフ) - 待っていました！ありがとうございます！ぜひスローペースになってもいいのでぜひ続けて書いてください！ (2021年9月8日 16時) (レス) id: 651e60b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - たのしみに待ってます！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: 553ee9b60b (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 優衣之助さん» コメントありがとうございます！少しスローペースになるとは思いますが､頑張ります(´∀｀*) (2021年8月18日 20時) (レス) id: ebcac45cbc (このIDを非表示/違反報告)
優衣之助 - 待ってました！いやーこの後の物語も楽しみです！待ってます！頑張ってください！ (2021年8月18日 1時) (レス) id: 6e2a5698bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：言ノ葉 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ShinyStars1029?s=09
作成日時：2021年8月18日 0時
