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それから柊とシズちゃんに会って、私の日々は、この4人の男の子達と一緒に過ごす事が増えていった。
「Aー!遊びに行こうぜ!」
「うん!」
「ほら真冬も!」
「ん」
由紀君は、何を行動するにも、いつも私と冬ちゃんを共に連れ出した。
由紀君と冬ちゃんという、2人だけの摂理の中に当たり前のように私が溶け込んでいた。
いつだったか、その事を2人に聞いたことがある。
「ねぇ、なんでいつも私も一緒に誘ってくれるの?」
「Aは嫌か?」
「嫌じゃないけど、良いのかなって……」
「……Aは、あったかいから」
「あったかい?」
「わかる。なんかAってさ、一緒にいるとあったかいんだ。包まれてる感じがする」
「ふーん。由紀君てたまに難しいこと言うね。よくわかんない」
「え。なんで俺今軽く悪口言われたの?」
「Aは明るくて優しい。お母さんみたい」
「冬ちゃんに褒められると照れちゃうな!」
「え?何この差」
2人が、お互いの足りない部分を埋め合うように一緒にいることは、自然のことだと思った。
だから。
「あのさ、A。俺達がキスする仲だって言ったら……どう思う?」
「え?今更?」
「は?」
中学生になって、2人が“そういう仲”になっていたことも、私は当たり前のように受け止めた。
むしろ、そうなるのが決められた運命だと思っていたから。
告白だとか、そういうことをすっ飛ばしていた事も、なんかこの2人だからなぁ……というくらいにしか思っていなくて。
「気持ち悪いって……思わないの?」
「全然!人を好きになる気持ちの何が気持ち悪いの?私は、2人がそうやって笑ってくれたら、それでいいよ」
「A……。やっぱりお前最高だな!」
「ちょ…急に抱きつかない!」
「由紀ずるい」
「冬ちゃんまで…!ていうかサンドしないでよ!」
「は!そう言えばお前…今日誰かに呼び出されてなかったか?」
「な、何急に…」
「……今月5回目」
「冬ちゃん数えてたの!?」
「なんかだんだん告白増えてねぇ?何処ぞの馬の骨に誰がやるかってーの!」
「頑固親父ですか?」
「柊も似たようなこと言ってた」
「流石に…あいつには負けるわ」
冬ちゃんと由紀君と、柊とシズちゃんで過ごす日々が大切で、大好きだった。
これからもずっと、そうあるようにと願っていた。
でも、人生の歯車は、本当に突然狂い出す。
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に - 最近ギヴンにハマった20代ですが、こちらの小説ほんっっっとうに最高です!!!!夢主の行動・気持ち・考えなど文からとても伝わってきて読みやすいです。お忙しいと思いますが、完結に向けて頑張ってください。楽しみにしております!! (2020年4月30日 13時) (レス) id: e8737ae1a9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - アニメ終わって落ち込んでたら、映画っ!嬉しすぎて……2020年まで頑張っていけそうです!言ノ葉さん最終話までお疲れ様でした!番外?リクエストも更新、楽しみにしてます!に (2019年9月20日 15時) (レス) id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - はじめまして!梶さんと春樹とのお話を書いてほしいです! (2019年9月20日 10時) (レス) id: eb587ffa62 (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - マシュマロが通信制限で使用出来ないのでボードの方に感想、リクエスト書かせて頂きました。御手数ですが見て頂けると嬉しいですよろしくお願いします。 (2019年9月18日 5時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます!雨月さんめっちゃ美人ですよね……。10話の耳かけスタイルがとても色気爆誕でやばかったです…… (2019年9月16日 21時) (レス) id: 50b948882d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:言ノ葉 | 作成日時:2019年8月30日 15時