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智「そうなんだ、まさかもう一度きみに会えるなんてね。それにしてもAちゃんどうしたの??」
俺も、まさか人生でもう一度あんたの顔を拝むことになるとは思ってもみなかったよ
でも俺だってもう何食わぬ顔であんたに笑いかけることぐらいできんだよ
『Aさんが球技大会の打ち上げに参加したみたいなんですが誤ってお酒を飲んでしまったようで、同じクラスの生徒が困っているところにたまたま通りがかり、お連れした算段です。』
ほぼ押し付けられたけどな
智「えーそうなんだ、ごめんね、迷惑かけちゃったね」
と、言いつつ相手の視線が下に降りてゆく
『あぁ、これは今日Aさんが球技大会で怪我をしてしまって、保健室で手当てしてもらったものです』
智「えー!また怪我ー!もう1ヶ月に一回どっかに傷つけて帰ってくるんだからー、ほんと誰に似たんだかね」
『………』
まるで人ごとのようによく言うよ
智「ごめんね、どうしよ、そのまま運んでもらってもいい?」
嫌だ断る
本能が言っていった。
この家に入るべきではないと。
でもそんなこと言えるわけもなく、
『わかりました。』
というしかないんだろう、教師の俺は。
どうして来たくもなかった場所に、会いたくもなかったやつの家に足を踏み入れなくてはならないのか、
智「ありがとねーごめんねー」
そういって通された玄関はそこにはないはずの忘れられない匂いが残ってる気がした。
二階の部屋上がり通されたこいつの部屋は意外にも、あのいかにも女子高生という見た目とは裏腹に物もほとんどなく閑散としていた。
唯一あるのは机とベッドと、その上に飾ってある1枚の写真。
『…………』
智「意外でしょ、この部屋。物を増やすのが嫌なんだって。無くした時悲しくなるから」
『…そうですか』
そんな風には見えなかった。
智「あ、じゃあこのベッドの上にお願いします」
『はい、』
ここまで運んできた体をゆっくりとベットに預ける。
未だにまぶたピクリともしないなんて逆にスゲェだろこいつ
『では、僕はこれで、』
智「え、せっかくきたのにお茶でも飲んできなよ、それに…
『いえ、送り届けただけですので、今日はもう失礼します。』
俺がここにいる理由は、これ以上何もない。
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ほのぼの(プロフ) - 更新楽しみにしています (2021年4月24日 10時) (レス) id: 4fea01553b (このIDを非表示/違反報告)
ユウキ - もうキュンキュン!続編楽しみにしています。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: 83c8412582 (このIDを非表示/違反報告)
nara(プロフ) - みかんさん» みかんさんありがとうございます、なんとか皆さんにドキドキしていただけるような作品になるよう頑張ります! (2020年5月17日 6時) (レス) id: c63e5f2293 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 毎日ドッキドキです (2020年5月16日 16時) (レス) id: 45b61c76f6 (このIDを非表示/違反報告)
nara(プロフ) - ましゅさん» ましゅさん、ありがとうございます、コメント本当に嬉しいです!がんばります! (2020年5月16日 0時) (レス) id: c63e5f2293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nara | 作成日時:2020年5月14日 22時