#163 ページ13
side black
次の日から治療が開始された
治療中も1週間に1〜2回アップされる5人の動画を
楽しく見ていた
羨ましさとか
疎ましさとか
そういう感情は全くない
心から5人を応援したい
そう思い治療中
何度も何度も再生した
矢崎先生が言っていた通り
吐き気が強くずっとベッドにいることしかできない
おじさんやおばさんが2日に1回来て
食べやすそうなものを置いていってくれるが
ほぼ手をつけられない
申し訳なく思いながらも
大丈夫よ
と声をかけてくれるので甘えている
いつも通りドアがノックされた
おじさんとおばさんが来たと思った
「どうぞ」
入ってきたのは兄ちゃんだった
兄「北斗、体調はどうだ？
って聞く方が間違えてるか・・
頑張ってるな」
そう言って頭を撫でてきた
「、、、辛い、辛いけど
頑張らないと、俺が決めたから」
兄「無理するなよ
泣きたいなら泣け、辛いなら叫べ
俺ここから歩いて10分ぐらいのマンションに
住むことにしたから毎日くるからな」
「ごめん、、無理しないで」
兄「無理なんかしてないよ
俺の大事な弟だもん、何かあったらいつでも言ってこいよ」
「ありがと」
兄「俺ちょっと先生と話してくるな
あとおじさん今日来るって言ってたからおじさんにもお礼言わないと
北斗何か欲しいものある？売店行くから買ってくるけど」
「大丈夫、、今は何も食べたくない」
兄「わかった、行ってくるな」
そう言って病室を出ていった
しばらくすると吐き気もおさまって
ベッドに座ることができたため
パソコンを出していつも通りネットを見始めた
１時間ぐらいして兄ちゃんが帰ってきた
兄「少し良くなった？何見てるの？」
そう言ってパソコンの画面を覗き込んできた
兄「YouTubeか
グループの動画みてるの？」
「うん、見てるよ
心の底から笑えるから」
兄「やっぱ後悔してる？」
「本当兄ちゃんしつこい(笑)
してないよ、むしろ俺がいなくて活動していることに安心している
俺のせいでグループが無くならなくて良かったって」
兄「北斗のことを報告した動画を見たんだ
あの5人優しいな、そしてお前らのファンも優しいんだな
正直北斗に対する批判で溢れると思った
何で動画なんかで公開したんだって少しイラっとした
確かに北斗のことを責める一部の声もあったけどそれ以上に北斗の事を心配する声の方が多かったんだ」
「いいグループだし、いいファンを持ったよね」
そう言って2人で動画を見始めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちきん | 作成日時：2019年9月30日 18時
