【CS】我ら空木高校栄進クラス〜神鳥谷常臣〜

戦国時代 ページ15

「―――父上、成(なり)です。お話とは何でございましょうか？」

「来たか成…成よ、神鳥谷の跡取りはお前しかいない。お前も15といい歳だ。本来は女性(にょしょう)を戦場に赴かせる訳にはいかぬ…だが成、お前ならやれると信じているぞ」

「申し上げたき事は分かりました父上。では名が必要ですね」

「そうだな……… "常に忠臣と成れ" 私は父上に、お前の叔父上にそう言われたのだ。だからそこから取り…成、今日からお前は"常臣"と名乗れ。よいな？」

「分かりました」

「お館様には私から申しておく。常臣よ、武田信玄の…お館様の家臣として忠を成せ」

「はい父上―――――」



成…もとい常臣が元服して数年。武田信玄も "甲斐の鬼姫" と言い、認める程の功績を持った常臣に
運命を決める事件が起きた

父の死と…武田信玄の初の負け戦 "上田原の戦い" である


武田本隊と別れてしまった常臣がいた軍は壊滅、生きて残っているのは常臣のみとなった
かつての仲間の亡骸にあった兵糧をかき集め、少ない量で腹ごしらえをするしか無かった

多少気を失ってでも生きている理由は忠を誓った敬愛する武田信玄の元に帰ることのみだったのだ
崖を滑り落ちたり、雨に打たれたり、獣に襲われたり、岩場の影で雑魚寝をしたりと
そうしながら過ごした日にも限界が来た


兵量が尽きたのだ
それに伴うかのように 心身共に極限だった常臣は道端に突っ伏したまま気を失った――――

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