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夏色ジェラシー/財.前 ページ14

窓の外で私たちを嘲笑うようにして強く照り付ける陽光を睨みつけた。
茹だるような暑さに蝉の声なんてもう聞こえないし、頬を伝う汗すら拭う余裕が無くなりそうだった。

何が図書委員だ。何がカウンター当番だ。なんで貴重な夏休みをこんなことに当てなくちゃならないのだ。利用する生徒なんてごく僅かだというのに。




「あー……あっつい……」
「何サボっとるんすか、先輩。ちゃんと仕事してくださいよ」

そして、隣の席には生意気な後輩。私は別に嫌いじゃないんだけど、彼──財前君は恐らく私のことが嫌いなのだと思う。何となく、だけれど。




「財前君厳しいよ……」
「先輩がだらしないだけですわ」

当番、といっても別に忙しいだとかそういったことはなく、駄弁っていることが殆どだ。
ただ彼はあまりフレンドリーな性格ではないので、本を読んで時間を潰している。ジャンケンに負けて図書委員になった私は、至極読書が苦手なタチである。いつも会話で当番を乗り切っている私には、この空間は地獄ともいえる。









「ざーいーぜーんーくーんー」
「……なんすか」
「暇!暇だから話そうよー!」

しかし、たとえ嫌われていたとしても私はしつこく絡む。だんまりで気まずい思いをするよりは、当たって砕けた方がマシだ!という考え。

すると彼は、こちらを数秒見つめたあとに溜息をつき、読んでいた本を閉じた。






「しゃーないっすわ。鬱陶しいんで相手したります」
「ほんと!?やったーありがとう!そういえばね……」




喜んで話題を振ろうとしたとき、図書室の扉がガラッと開いた。









「財前、遊びに来たでー!」

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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時

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