mission65 ページ29
youside
A｢五奇人…？｣
私の記憶の中では1度もその言葉を聞いた事がない。
なのに…何故だろう、なんだか懐かしい感じがするのは
朱桜｢五奇人とは…この国にいる5人の魔術師の事です。噂によるとその5人は各自独特の魔術や魔法を使えるのだとか。｣
A｢魔法！？そんな事御伽噺の中の話じゃ…｣
朱桜｢現代ではそうですね。ただ、ほんの800年前までは魔法使いや魔術師、魔道士がいたと記録に残っているそうです。…ですが、五奇人はその方達とは違います。普通の魔術師では無いのです。｣
A｢普通の人じゃないって…魔法とか魔術を使えるだけでも普通とは違う気がするけど。｣
朱桜｢その中でも"特に"という事です。…五奇人は基本的に人との馴れ合いはあまりしないと聞きますから真偽のほどは分かりませんが…五奇人は全員不老不死の呪いがかけられているのだとか。｣
不老不死って…老いることもﾀﾋぬことをない最強の肉体。
A｢え？でもﾀﾋなないのとか老いないのはいい事じゃないの？不老不死を求めて旅をする人だって居たはず。"呪い"なんて…状況に合ってないと思うけど。｣
そう言うと、司君は顎に手を当て少しの間、考え込んでいた。
朱桜｢…それをどう思うかは…人によりますね。例えば…愛する恋人ができたとして…不死…ﾀﾋねないということは、恋人と一生を添い遂げることが出来ないということですから。…私はそんなの御免です。取り残されることほど辛いことはありませんから。｣
A｢あ…｣
(そうだよね…司君は両親が亡くなって1人取り残された側だから…)
私は司君の過去を思い出して、慌てて司くんに謝った。
A｢ごめん、嫌なこと思い出させちゃった。｣
すると、司君はにこりと微笑んで私の手をぎゅっと握りしめてくれた。
朱桜｢そんなに気にしないで下さい。それに今の私には怪盗Knightsとお姉様がいらっしゃいます。私はそれだけで十分なのです。｣
A｢え…あ、ありがとう…？｣
(なんか…照れるな。)
司君は握りしめていてくれた私の手をゆっくりと離すと勉強に使っていた道具を片付けはじめた。
朱桜｢さて、お勉強はこの辺で終わりにしましょう。そろそろlunchのお時間ですし。｣
A｢うん、そうだね。｣
私達は勉強道具を片付け、昼食の準備をした。
凛月｢…｣
その様子を凛月くんにじっと見られているとも知らないで。
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作者名：リューゲ | 作成日時：2022年8月1日 20時
