5人の怪盗と生きる宝石第2幕 (ページ20)

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mission59 ページ20

朱桜司side

あれはまだ私が7つの頃

～幼少期～

姫宮｢つかさ！ボクね、おとーさまに宝石をもらったんだあ！へへ、すごいでしょ？｣

そう言って幼き日の桃李君はピンク色の宝石"モルガナイト"を私に見せてきました。

貴族の文化で、身分の高い家門に生まれた跡取りには宝石を与えるというものがあります。

その宝石はその家の象徴にもなり、宝石の種類も家門によって宝石の種類も違うそうです。

そして、その子供が正式に当主となった暁には子供の頃から与えられた宝石がその家の家宝になるのだとか。

朱桜｢とうりくんはもう宝石をもらったんですね？｣

姫宮｢うん！これね？モルガナイトっていうんだって！つかさはー？｣

朱桜｢僕は15さいになったらお父様が真っ赤なルビーをプレゼントしてくれるっていってました！｣

姫宮｢そーなんだ！ねぇ、つかさがルビーをもらったらさ、おたがいがちゃんと当主になるまで宝石と宝石こうかんしようよ！！｣

朱桜｢え…でも、"次期当主"の宝石はだいじなものってお父様が…｣

姫宮｢だからだよっ！だいじなものだからつかさに預けるの！あげるわけじゃないんだから勘違いしないでねっ！つかさはずっと友達だから！｣

朱桜｢そうですね。僕も宝石をもらったらとうりくんに預けます！ずっと友達なので！｣

～現代～

恐らく、桃李君は伏見弓弦の近くでずっと私の様子を見ていたのでしょう。

上質な布で作られた服に身を包んだ桃李君は私の前までつかつかと歩いてこちらを見据えた。

姫宮｢その、さ。"前"会った時には言えなかったからその、久しぶり、司。…元気みたいだけど。｣

桃李の言う"前"とは私が姫崎邸に行った時の事なのでしょう。

朱桜｢そうですね。お久しぶりです。桃李君は昔と余りお変わりが無いようで安心しました。｣

姫宮｢…司は、変わったよね。なんか、色々と。｣

(変わった…ですか。)

この長い月日の間、沢山の事が私の身に降りかかったからという事なのか。

それとも、財閥の次期当主と言われていた私がコソ泥のような真似をしているからなのか。

はたまた、どちらもなのか。

朱桜｢そう、ですね。色々ありましたから。｣

姫宮｢でも、根本的な部分は変わってない。ボクの事を…ボクの宝石の事を覚えてくれてた司は…何があってもボクの幼馴染の…ボクの友達の朱桜司だよ。｣

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"宝石"は日本の家紋の様な物です。
分かりにくかったらすみません。