第23話 姫の登場 1 ページ48
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白恋ボールでのキックオフ。白恋は真都路となえを選手交代させていた。DFを1人削った、超攻撃型の布陣だ。
なえがフィールドに入った途端、ウサミミをつけた白恋応援団が「なーえ!なーえ!」のコールとともに『なえ♡』と書かれたうちわを振る。
「我らが姫様の登場かよ。」
歓声の中、アツヤは肩をすくめる。それに士郎も同調した。
「ここからが大変になりそうだね……。ボクたちも、雷門も……。」
なえは跳ねるように千鳥のもとへ駆けて行く。そしてぎゅっと軽く千鳥にハグをすると、
「う〜!ワクワクが止まらんわあ〜!千鳥、ウチに任せとき!ひと暴れ行くやっぺ!」
と笑顔を見せた。その笑顔に勇気付けられたか、千鳥も口元に笑みを浮かべ「うん、よろしくね、姫様!」と言った。けれど、彼女の瞳は真剣そのもの。なえに何かを託すように、しっかりと彼女を見据えていた。
試合再開。士郎が前線にドリブルで駆け上がると、ふとなえと目があった。なえはぱっと顔を明るくして「パスパスパース!」と士郎に呼びかける。
「姫のリクエストとあらば…」
士郎はなえへパスを出す。雷門は一気に彼女へ警戒を集めた。
しかし、なえはトラップをミス。肩すかしを食らった雷門の選手たちは思わず「え?」と目を丸くした。
「あちゃ〜、やってもうたぁ〜。」
大きく弾かれたボールはゴールの方まで飛んでいく。
「どうやら、大したことない選手のようだな……。」
万作がそう呟き、余裕を持ってボールを追いかけると、ふと彼の横を風が通り抜けていった。何事かと目を見張れば、なんとなえがボールに追いついていた。
「ふぅ…何とか追いついたわぁ。」
白恋ウサミミ応援団は大いに沸く。
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第23話 姫の登場 2→←第22話 破られたタクティクス 2
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作者名:いわき | 作成日時:2019年10月18日 0時