検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:53,559 hit

第2話 始まりの闘志 1 ページ4




「目深くんは今回の敵、石狩中の特徴を覚えてる?」
「石狩中の…?」
「確か石狩中は、底なしの体力が持ち味で、相手が疲れた後半に得点するパターンが多いチームだって。」

士郎の問いに、部員の1人、喜多海が答えながらちらりと千鳥に視線をやった。千鳥はそれにこくんと頷く。その情報も以前千鳥から聞いたものだった。

「そういえば、後半に得点したのはこっちだったな……。」

同じく部員の1人、烈斗は喜多海の言葉を聞いてはっとする。「そう」と相槌を打つと、士郎は再びベンチに腰掛けた。

「何しろ、後半には相手の息は上がっていたからね。」

士郎の言葉に部員は皆息を飲む。彼の言葉によって、全て納得したからだ。喜多海は「敵は前半のアツヤの強引な突っ込みに対応せねばならず、消耗していた…!」と思わず口にする。

「…アツヤは前試合、前々試合共に得点している。敵のマークは完全にボクよりアツヤだった。」
「だからアツヤは無茶な突っ込みを10回も繰り返して、敵を疲れさせたってことですか…?」
「チーム内でそれが出来るのは、敵選手全員に得点すること恐れられているアツヤだけだ。あとは、ボクや他の人が点を決めればいい──そういう作戦だったんだよ。」

喜多海の問いかけに士郎はそう締めくくった。皆の視線がアツヤに向く。アツヤは興味なさげに彼らから視線を外し、ふんと鼻を鳴らした。

「それは…本当なのか、アツヤ?」

恐る恐る目深がアツヤに尋ねる。アツヤは「ハッ」と馬鹿にしたように笑うと、ようやく部員たちに目を向けた。


第2話 始まりの闘志 2→←第1話 白恋中 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いわき | 作成日時:2019年10月18日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。