年上彼氏の甘やかし方【志麻】

3 ページ4

.





着替えてリビングに行くと、
志麻くんはお揃いで買ったマグカップに
コーヒーを注いでいた。





「冷める前に顔洗っといで、寝坊助さん」




『う、はぁい…』




この時点で完全に私が甘やかされている。




「ブラックでよかったやろ?」



席につくと 、買ってきてくれたパンと
コーヒーが出される。




『うん、ありがとう』




2人でいただきますをして
パンを一口齧る。



え、何これ美味しいんだけど。





私のはクロワッサンで、志麻くんのはエクレアだ。




志麻くんも美味しかったようで
「え、うまっ」と声をあげた。




「A、一口ずつ交換しよ」




『いいよ』



志麻くんが渡そうとしたのを遮って
口元にクロワッサンを差し出すと
え?というように首を傾げている。



『あーんしてあげる』




「ええのー?じゃあ、あーん」




パクりと一口食べると
満足気においしーなんて言っている 。




思ってたんとちがう…!
え、普通はもっと照れたりするもんじゃないの?!



ちょっと面白くなくて
コーヒーをズズズっと啜ると
「俺もあーんしたげるよ」
と、志麻くんがエクレアを差し出してきた。



まぁ、美味しそうだし
と、あーんと控えめに口を開く。



あ、やばい。
クリーム飛び出そう…




「あ、ちょ、A、もうちょい口開けんとクリーム溢れる!」




何とかクリームが溢れないようにして
やっと一口を食べ終えると、何故か
固まっている志麻くん。



『え、なにどうしたの』





「いや…うん。今のはちょっとクるものがあったわ…」





『真っ昼間からやめて』






ほんとにこの人は…





とか言いつつも好きなんだけど。
取り敢えず、次の作戦いくかぁ…






.

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す