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『志麻くんの髪気持ちいい』
「せやろ。でもわしゃわしゃすんのやめろ」
『はーい』
手ぐしで髪を梳かして乾かしていく。
『ん、できたよ』
「ありがとなー。んじゃあ寝るか」
『そうだねー』
ベットに横になると、いつもの様に
志麻くんが抱きしめてくる。
『んふ、バブしまだねぇ』
とからかってよしよしと頭を撫でると
不機嫌そうな顔の志麻くんが
ガバリと上に覆いかぶさってきた。
「あんまり大人をからかうんじゃありません。俺かて悪ぅいオオカミなんやから、食べちゃうで?」
そう言って悪戯に笑う彼。
「いいよ。食べられても」
すると、驚いたように目を見開いた
志麻くんの瞳が揺れる。
やっぱり、だめ?
『私、やっぱりそんなに魅力ないかなぁ…?』
声が震える。
言ったら彼を困らせてしまうのに。
『っごめん。なんでもな…』
言い終わる前に、ギュッと抱き締められる。
「ごめんなぁ…そんなに不安にさせてしまってたんやな」
志麻くんは抱きしめる腕を少し緩めると
真っ直ぐ私の目を見ながら話す。
「Aのこと大事にしたいって気持ちが裏目にでてもうてたみたいやね。不安にさせてごめんね」
『んーん。私も少し焦って、志麻くんの気持ち蔑ろにしちゃった。ごめんね』
おでこをコツンとくっつけて、微笑み合う。
「…なぁ、ほんとにええの?Aのこと食べちゃっても」
『ふふ。いいよ…食べて?悪いオオカミさん』
そう言うと、優しいキスが降ってきた。
『優しくしてください…』
「そりゃあ、もちろん」
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (12月6日 11時) (レス) @page31 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
さしゃ(プロフ) - 更新頑張ってください! (2020年9月26日 8時) (レス) id: bbde3145a2 (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - さざんかさん» ありがたいお言葉…!コメントを励みに頑張ります! (2020年7月5日 1時) (レス) id: c0f0ac9e60 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します…!このお話が大好きで今か今かと待ってます(´;ω;`)頑張ってください!! (2020年7月4日 1時) (レス) id: 63429259c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2020年1月22日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なべる | 作成日時:2019年11月8日 0時