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それからあっという間に時は過ぎた。
今日は期末テスト最終日、志麻くんと出かける日だ。


「おわったー…!俺らはこれから志麻君の誕プレ買いに行くけどAはデート?」

「うん、終わったら迎えに来るって言って…」


「あ、おったおった。Aお疲れさん。」

「…志麻くーん、一応俺もおるんやけど。」

「あぁ、センラ君もおつかれさん。」

「…ひどいわっ!」


すまんて、とセンラに謝りながら近づいてる志麻君。
それを見て慌てて帰る準備を進めていく…
ちらりと見たらセンラと志麻君は何やら話していた。


「で?あいつは何考えとるん?」

「さすがに俺の口から言ったらかわいそうやろ。」

「ま、楽しみにしとるよ。」


楽しそうに笑う志麻君とあきれたように笑うセンラ。
ホント、いったい何話しているんだろうなぁとか
思いながら支度を終えて見ていれば
それに気が付いた志麻君がこちらに来てくれた。

「じゃ、行こか。」

「うん。じゃあまたねセンラ。」

「また明日、部活でなー」

「…爆発しろリア充がぁぁ!!」

なんかごめんセンラ。と心の中で謝りながら
志麻君に手を引かれて教室を後にする。


「今日はどこ行くの?」

「ん?あぁ…テストで頭使ったやろ?だから…糖分補給しにな。」


そう言って、志麻君に連れて行かれるままバスに乗る。
隣の席に座った彼は、鼻歌交じりに
さっきからスマホで何かを調べているようで…
いったいどこに連れて行ってくれるんだろう?と
考えながら乗ってると終点の大きな駅前についた。


「え…っと、こっちやな。」


連れてこられた先に見えたものは
とてもおしゃれなカフェ。
そして、そのショーウィンドウに並べられているのは
本当にいろいろな種類のタルトたちだった。
予約してるんですけど、と店員さんに
話しかけている志麻君をよそに
今の私はきっと、すごい気の抜けた顔をしているだろう
…だって、先にやられてしまったからだ。


「ねぇ、志麻、君。」

「驚いた?Aこの前タルト好きって言うてたから。」

「探してくれたの?」

「俺も食べたかったし、テスト終わりやからな。ご褒美ってことで。」


この人はどうしてこうも、私を喜ばせるのがうまいのか。
絶対に勝てる気がしない…けど
少しくらいはやり返しても罰は当たらないはず…
だから、たくさんのタルトを食べて帰り道にこう言うんだ。



「誕生日、志麻君の家に遊び行くからパーティーしよ。」





今度は、私が志麻君を喜ばせる番だ。

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憧葛 - こんばんは、憧葛です!作品を読ませていただきました。いやもう本当にどれも神作ばかりで……素敵なお話をありがとうございました!これからも頑張ってください! (2021年12月7日 18時) (レス) @page38 id: e0ae3127c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 x他2人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年12月1日 21時

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