初めての…… ＊ 紬 ページ19
――
月日は11月も終わりに差し掛かってきた頃。
私はある1件にすごく悩んでいた。
自分だけで解決しないといけないコト
っていうのは分かっているけれども
初めてのことで色々調べても、これ！っていうのが
思いつかなかった私は隣の家に住んでいる幼馴染を
お菓子で釣って家に呼び出した。
「…どうしよう、何がいいと思う！？」
「いや、なんでそれを俺に聞くん？」
「だって直接聞くのもなんか違うし…センラ、志麻君と仲いいでしょ？」
「そりゃ、仲はえぇけども……っていうかコレが志麻君にバレたら俺が怒られるわ…」
「なんか言った？」
小声でぶつぶつ言っているセンラに声をかけるも
いや！と慌てたように返してくる…なんだこいつ。
ちなみにこのセンラは腐れ縁の幼馴染
で今回の私の悩みのネタの人物…志麻君と
同じ部活でめちゃくちゃ仲がいい…というか
私と志麻君を引き合わせたのがセンラである。
「えぇやん、志麻君ならAがあげるものなんでも喜びそうやけどなぁ。」
「それじゃダメなんだよ…ありきたりなものだと持ってるだろうし…それに…」
「付き合って最初のイベントやし、なぁ？」
「……うん。」
「あかん、いつものAやない。」
いつもなら、うっさい！とか言ってくるのに！と
大げさに言ってくるセンラに対しては
お望みどおりにうっさいと言って、スマホに目を落とす。
検索履歴は『高校生 彼氏 誕生日プレゼント』とか
その系統でいっぱいだ。
「っていうかまず、どっちにするか決めて。そっから絞っていこうや」
「どっちか？」
「形に残るもんか、残らないもんか。」
「なるほど……」
せっかくだし、形に残るものがいいかもしれないけど…
志麻君といえば、大人びていてクールに見えるけど
面白いことが好きで甘いものに目がない…くらい…あ。
「…ケーキ、作ろうかな。」
「お、えぇやん！Aの料理はうまい！俺が保証する！」
「ありがと。」
「志麻君は1人暮らしやし、家に押しかけて2人で誕生日パーティー！うん、これで決定！」
「それって迷惑じゃ…ってか、センラたちはなんかしないの？」
「俺ら？別にしたとしても部活中にするくらいやろ。」
「そうなんだ。」
男の子の友情ってそんなもんなのかな。
センラがそう言ってるくらいだからそれでいいんだろう。
「志麻君、オフの日にケーキ屋巡りしてるからデートついでについてって探ってきたらえぇやん。」
「そっか…うわぁ、ハードル高いなぁ…」
「大丈夫やって！」
「……ん。」
志麻君サプライズ誕生日パーティー…作戦、開始！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
憧葛 - こんばんは、憧葛です！作品を読ませていただきました。いやもう本当にどれも神作ばかりで……素敵なお話をありがとうございました！これからも頑張ってください！ (2021年12月7日 18時) (
レス) @page38 id: e0ae3127c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
