【御守り】4 ☆ ページ26
☆主人公サイド
仙台に雪はつきもので、雪道の運転には慣れているのに、結弦くんから強く止められてしまった。
双子が心配なのはわかるけど、あからさまに私の運転が下手だと思われているようで気に食わない。
キッチンで一人、みんなのお茶の準備をしながら少し不機嫌に口を尖らせていると、不意に玄関から元気な声が聞こえた。
「ただいまー!」
続けて小走りに廊下を走る音が。
その正体はもちろん妹のまどかなのだけど、高校生にもなってまだまだ子供っぽいったらない。
騒がしい子だなと思いつつ腕を組んでいると、このキッチンのドアが開いた瞬間、赤い頬っぺたがまだまだ幼さを感じさせる制服姿の妹が手袋した手を擦りあわせ、寒い!とお決まりの台詞を言う。
「おかえり。」
「わ、お姉ちゃんまだいたの?!」
「うん。」
まどかが驚くのも無理はない。もともとすぐ帰る予定だったので、時間的に顔を合わせることはなかったはずなのだ。
突然の雪で久しぶりの再会になる妹が、まだ白い息を吐きながら手袋を外す。
「今日お宮参りだっけ。それにしても雪すごいね〜。私も帰りにコウ兄ちゃんに出会わなかったら行き倒れになる所だったよ。」
そんな中、懐かしい名前が耳に届いた。
「あんたまだコウくんに送ってもらってるの?」
「時々だよ、時々。」
マフラーを外しながら軽くあしらう口調のまどか。
まさかまだコウくんを自分の足のように使ってるんじゃないだろうな。
でも結婚してから全く連絡をとっていないので、彼が今何をしているのかちょっと気になる所だ。
「コウくん独り身?」
「あったりまえー。」
そうなんだ…。そうかなとは思っていたけど、まぁ独身なりの幸せもあるものね。うん。
自分を納得させるように何度か頷いた所で、ようやくポットのお湯が沸いた。
「あんまり頼っちゃだめだよ。」
「わかってるって。」
本当かなぁと思いつつ、コーヒーの入ったカップにお湯をそそぐ。すると、不意にこのキッチンに結弦くんが顔を覗かせた。
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鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で! (2021年2月14日 20時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね! (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2020年12月16日 18時