【お宮参り】5 ★ ページ20
もう一度弟である翼の様子を伺うと…なるほど。一つ目小僧にむちゃくちゃ興味を示している。それに対して天后が抱いている兄の翔は、あらぬ方向へ視線を向け、一人の世界に浸っているようだ。
「兄弟で真っ二つに分かれたのか…。」
これが良いのか悪いのかよく分からないけど、これで翼は確実に妖怪教育をしなければならなくなった。
「さぁ、もう山へお帰りなさい。今日は赤子たちの大切な日です。」
「えー、遊びたぁい。」
「人間は生まれてすぐに立つことさえ出来ませんよ。少しわきまえなさい。」
「はぁい…。」
天后が少し強い口調で告げると、踵を返し、とぼとぼと山の方へ向かって歩く後ろ姿に、出来ればもう来ないでくれと心の中で語りかける。
でも良かった…。このまま居座られたらどうしようかと思った。
俺自身まだまだ妖怪の扱いに慣れていないので、敵か味方か分からず対応に困るのだ。
「さぁ、もう寒いので中へ戻りましょう。Aさまの着付けも終わる頃です。」
「そ、そうだな。」
けっこう長い間外にいるので、ほっとしたら一気に寒くなった。
「あうあう。」
名残惜しそうな翼をあやすように抱きかかえ、社務所に戻る。
妖怪体質か…。
A、がっかりするかな…。でもAみたく引きこもりにはさせないぞ。と心の中で強く誓った俺だった。
「この寒いのに散歩って。」
社務所に戻るとちょうどAの着付けが終わった所で、開口一番、子供を外に連れ出したことをやんわりと責められる。
「仕方ないじゃん。二人が出たいって…。」
「我慢させてよ。今２月だよ？２月。風邪でもひいたらどうするの。」
俺だけでなく天后までもが並ばされて…。とはいえ、Aのお母さんがいらっしゃるので、手短に済んだのは幸いだ。
「A、もうそのくらいにしなさいな。それにしても結弦くんは二人の気持ちが分かるのねぇ。」
「…違うと思う。」
さすが結弦パパ。と朗らかに言うお母さんへ、Aがぼそっと呟く。
勿論俺たち以外に天后の姿は視えないので、全て彼女の力だということは説明できないのだ。
「それより早く拝殿へ行きましょう。お父さん待ちくたびれてるわ。」
皆が揃った所で、お祓いのため、社務所を出る準備にかかる。
いくら身内とはいえ待たせるのは申し訳ないので、お母さんには翔を抱っこしてもらい、先に拝殿へ行ってもらう。
その間にAには翼を託して…。
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鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で！ (2021年2月14日 20時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね！ (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2020年12月16日 18時
