【お宮参り】2 ★ ページ17
すると触ることはせず、一生懸命目をきょろきょろさせて、まるで視覚から学習しているように見える。
真っ白な世界に何を見ているのかな。
赤い木の実かな、それとも緑の松の木か…。
「ご主人、翼さまがお目覚めです。」
「え、もう？」
しばらく二人で散策していると、縁側から天后が俺を呼んだ。
さっき寝たばかりなのに。
慣れない部屋でよく眠れなかったのかもしれない。俺は翔を抱っこしたまま、踵を返し再び室内へ戻る。
「オムツは交換しておきました。」
「ほんとに？助かるー。」
「昔と比べて大変簡単ですので、お任せください。」
昔とは何時代のことを言っているのだろうかと思いつつ、散歩に満足気な翔を寝かせ、今度は翼を抱っこする。
「よしよし。いい子だねぇ。」
ぐずるかなと思ったけど、背中をとんとんとしたら落ち着いたようだ。
こっちも可愛い…。じっと俺を見る真剣な眼差しを前に、つい顔がほころぶ。
「翼さまも外へ出たいと切望されています。」
「お前もなの？しょうがないな。」
お兄ちゃんだけずるい！とでも思っているのだろうか。
とはいえ、まだ俺の身体が暖まっていないので、さすがに上着が必要だ。
一瞬だけ翼を寝かせ、その間に暖かいダウンをはおり、懐にくるむようにもう一度抱っこし直す。
「これでよし。じゃあ天后、少しの間翔をよろしくね。」
「お任せください。」
この寒空に交代で散歩とは。最近何をするにも忙しくなったな。子育ては時間との戦いだ。
「翼の体温が伝わって暖かい。これなら風邪引かないわ。」
再び縁側から外に出ると、翼は翔とは違いすぐに手をばたばたさせ、色んなものを指差したりする。
雪の乗った葉や形の良い木の幹。
その中でも特に石の灯籠が気になるようだ。
「なかなか乙だな。」
生まれてまだ３ヶ月だというのに、兄弟でもう興味のあるものが違う。
今のところ翼の方が好奇心旺盛なのかな。
「あー。」
「ん、何かあった？」
そんな中、不意に翼が庭の一ヶ所を指差し、一際よく通る声をあげた。
そこには特別変わったものでもない３０センチくらいの丸い石…俗に言う庭石が置いてあるのだが…。
「この石が気に入ったの？」
面白い。ならばもっと近くに行ってあげようと、石へ向かって歩き出す。
すると…。
「ん？」
その石の後ろに何かいたような気がして目を凝らす。
「あーあー。」
動物かな…。翼にも見えたのか、必死に手を動かしている。
「ひょっとしてうさぎさんかな。」
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鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で！ (2021年2月14日 20時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね！ (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2020年12月16日 18時
