【幸せな時間】1 ★ ページ11
★羽生サイド
急いでホテルの部屋に戻ってきてから、すぐに携帯を確認したけど、既読はついているもののAから電話もなければメッセージもきていない。
もうこっちからかけようかと、迷わず携帯の通話ボタンをタップして耳に押し当てた。
「出ろ…。」
片手で器用に上着を脱ぎながら、呼び出し音を心の中で数える。
Aをここへ呼ぶことで何かが解決するとかはないけど、寒さから守ってあげることは出来る。
そして長い間鳴らし続けようやく繋がったのは、すっかり上着を脱いでベッドに腰かけた頃だった。
『もしもし…。』
「今どこにいる。」
『……。』
「言え。」
か細い声で呟くAに追い討ちをかけるように問いただす。
Aをそんな風にさせている原因がお見合いなのかははっきり分からないけど、きっと思い詰める何かが起こったのだろうと推測する。
『羽生くんのお部屋の前…。』
それを聞いたとたん、すぐさま入り口へ向かい勢いよくドアを開く。すると耳に携帯をあてたままのAが、目の前に突っ立っていた。
「A…。」
「ど、どうも…。」
約半年ぶりの再会なのに、俺を上目遣いに見るその表情は、挙動不審というより何かばつの悪そうな様子だ。
それでも。
無我夢中とはこの事かと、俺は周りに誰もいないのをいいことに、全てを無視して力任せにAの腕を取った。
「きゃっ…！」
躓いたように前のめりになるAを部屋に引き入れ、空いた方の手で部屋の扉をばたんと閉める。
そして流れのままさらに腕を引き寄せ、狭い入り口のスペースで力の限りAを抱きしめた。
「冷てぇ…。」
ずっと外にいたのか、頬も髪も何もかもが氷のように冷えきっている。
「は、羽生くん…。」
俺の腕の中で荷物と携帯を持つ手が不自然になっていて、Aがもぞもぞと身体を動かすのだけど、むしろ邪魔なので一旦鞄を重力のまま床に落とした。
「A。」
そして再び抱きしめたら、さっきより密着度が増す。
「……。」
Aが俺の背に手を回したはずみに、お互いが持っていた携帯までもがするりとこぼれ落ちる。
こうなったらもう、二人の間を隔てるものはない。
ずっと離れていた恋人が腕の中にいる…。
この夢のような状況に、本能が抑えられるはずもなく。
「会いたかった…。」
頬に右手を添えて。
俺はAの唇に、噛みつくようなキスをした。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» きっといつか喜びの涙になりますって＾＾羽生さんも人間なんですよ。神や聖人君子でもないから。きっとまた笑顔で試合に出てくれますって＾＾ (2019年12月26日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 残念だったけど、それで何かが変わることなんてない。ましてや応援する気持ちは増すばかりです！たくさんツイートが流れる中、どれが本当なのか分からないのに、よく想像でそんなことが言えるなと思うことばかり。つくづくツイッターは発言する場所ではないと思います^^ (2019年12月26日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 男子SP ,MOI 参戦の為、今ごろでごめんなさい。主人公ちゃん幸せそうで良かった(///∇///)まだ感情が元通りではないので、つい涙が( ；∀；) (2019年12月26日 13時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 全日本、女子も男子も後半は応援に熱が入って疲れました。ＳＰの駿くんもよかったけど、ＦＳの鍵山くんに大興奮してしまいました！素人目にも上手い！と思いました。そしてゆづのあまりのボロボロな様子・・・。ＥＸで笑顔が見られてホッとしました。お疲れ様でした。 (2019年12月25日 0時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんのスケートは見てて本当に緊張する＾＾；やっぱりしょーまさんがいなきゃつまんないですね！ほかのみんなはミスが多かった。駿くん、羽ばたいてほしい！後輩もっと育ってほしいな〜＾＾ (2019年12月21日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年12月3日 16時
