【力の限り】9 ★ ページ36
そう通じあった瞬間、身体にある全ての白狐のパーツが、意思を持ったように喜びに打ち震える。
このたくさんの応援も、A一人の応援に敵うものか。
この喜びをすべて力に変えたい。そしてこの広いリンクに一人。見て欲しい人たちがいて、伝えたいスケートがあって、その場所に今自分が立てていることをかみしめたい。
いつも以上に緊張で足が震えるけど。
でも今は、滑ることが楽しみでたまらなかった。
名前がコールされ、時間を目一杯使ってからリンク中央で屈むと、何処かに吸い込まれるような音でプログラムが始まる。
このオリジンも２シーズン目になり、昨季よりも表現の面で変化させた部分がある。
威圧感のあるイメージから少し脱却し、音の捉え方を少し変えて、花開くように柔らかな動きから心臓を突き上げるかのごとく、二度軽く肩をすくめるのだ。
そこからスピードを上げ、細かい動作を入れてから、一つ目の大技クワドループへと助走する。
跳べるっ…！！！
絶対に出来映え点をプラスにする！という強い意思のもと踏み切って着氷すると、やや前傾姿勢になりはしたものの、わぁっという歓声が会場を包んだ。
あぶねぇ…氷とエッジがぶつかってすんごい音がしたけど、ちゃんと降りれた。
そしてもうループのことは忘れて、流れるようにまた次のエレメンツへと移る。
冷静さと集中力を上手く切り替えながら、ゆっくり、そして激しく２つ目の４回転ジャンプであるサルコーを問題なく着氷すると、スタッカートに合わせてスピンとステップシークエンスが続く。
オリジンは、ハンガリーの作曲家兼バイオリニストによって作られた、２つのオリジナル曲を繋ぎ合わせたアレンジ曲だ。
どちらも子供の頃から何度も聞き込んだ大好きな曲。
元々２曲共が同じＤマイナーという調で作られているため、ほぼ違和感なく聞けると思うし、むしろこういう曲が実際にあると思う人もいるかもしれない。
ショートのオトナルをピアノ曲と位置付けるなら、フリーのオリジンはバイオリンをフューチャーした曲と言っていいだろう。
ストラディバリウスから奏でられる音は、クリアで雑念が一切ない。
普通あんなに早いパッセージを一音一音艶やかに鳴らすのは、とてもテクニックがいるに違いないのに、難しさが少しも表に出ていない。
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鹿(プロフ) - ミズイハナコさん» よろしくお願いします！ (2019年11月25日 15時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» Ｎ杯フリーめっちゃ緊張しました！屈んだまま動いてるし！＾＾今回のＮ杯は結構ターニングポイントなので、じっくりたくさん書きたいので、ファイナルの日程に被らないようにがんばります＾＾その後はちょっと考えて。さすがに3週間更新ないとかねえ…だめですよね？ (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» インフルのくだり、訂正しました＾＾私もＨＤＤの容量がやばくて、3年前のＮ杯とか整理しました。今回も色々録画したけど、結局ネットで見れるので、いつになることやら。ＥＸはてっきりプリンスかと思ってましたけど、春でしたね！そっかそっか。春か〜＾＾ (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
ミズイハナコ(プロフ) - 楽しみにしてます！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: 999282a715 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 続き気になります！！2人は会えるのかなぁ、、、(＞＜)やっぱり羽生君は唯一無二で特別すぎる存在ですねー。ファイナルはどうなるか、心臓痛いですね笑 (2019年11月25日 7時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年10月31日 16時
