【ラーメン】5 ☆ ページ5
「え、お姉ちゃん何言ってるの。羽生くんは黒じゃなくて、氷の国の王子さまだよ？」
それより早く食べたら？と、まどかに勧められるのだけど、この子は羽生くんを妖精か何かだと思ってる節があって、エキシビションの天使プロが大好きなんだっけ。
というか何が氷の国の王子さまだ。さすがにまだ小学生だから、人を見る目がないな。
「濃そうだなぁ〜。」
椅子に腰掛けてラーメンを覗き込むと、本当に真っ黒で容易に味が想像できそうだ。
「意外といけるよ？見た目ほどじゃないよ。」
むしゃむしゃと食べるまどかを横目に半信半疑な私。でもせっかくなので冷めないうちに頂こうと箸を手に取る。
まずはスープからかな…。
一般家庭のラーメンには、ご丁寧にレンゲなど用意されないので、ラーメン鉢を両手で持って、ずずっとスープを飲んでみる。すると…。
「ん？」
味は確かに濃いけど、思った程ではない？
麺もすすってみたら、太い麺がスープと絡んでメインのおかずみたいだ。
なんだろう、黒いのに美味しい…。
黒いけど、どことなく優しい…。
「この見た目の黒さ、味とのギャップがすごくない？」
…まどかの言う通りだ。黒いだけじゃなくて、その中にもちゃんと柔らかで繊細な味が隠れている。
さっきはただの真っ黒な羽生くんだと思ったけど、そうじゃない。
まるで強さの中に優しさがあるような…。
「羽生くんだ…。」
「だから羽生くんは黒くないって。」
まどかの言うことは無視して、もう一口食べる。
「美味しい…。」
強引だけど頼りになって、時々かわいい一面を持っている人…。
そして、こんな私を好きだと言ってくれる、一番の理解者…。
“俺の言う通りにしてたら大丈夫”
“花山さんは、俺が守るから”
今日、そう言ってくれた優しい笑顔が脳裏によみがえる。
「羽生くん…。」
彼の気持ちに応えなきゃ…。
なぜだかこのラーメンを食べただけで、羽生くんの想いが自分に届いたかのように、胸がいっぱいになった。
次の日の午後、約束通り彼がタクシーで神社までやって来た。
一応私は仕事中なので、巫女の格好で出迎える。
「いらっしゃい。」
「あ、今日はその服なんだ。かわいい。」
「コスプレみたいでしょ。」
赤と白の巫女装束は、一部の人たちにとても人気があって、時々写真撮影を頼まれることがある。
もちろん断るけど。
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鹿(プロフ) - みなみさん» そうなんですよ！はや九月。もうオータムもそこまでなので、そろそろお話を進められそう！＾＾ゆずの曲はまだ聞いたことがないのです。あまりCM見ないので… (2019年9月2日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - あっという間に9月になってしまいましたね。A.C.が近づいてきていますね。どんなプログラムなんだろ。今更ですが、ゆずの「SEIMEI」って、平昌のゆづの「SEIMEI」からとっていたりするのかしら？CMで耳に目にする度に考えてしまいます。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» しっぽも役に立つ日が来ます絶対(笑)トロントへは行かないですが、遠距離って書いてて楽しいかも＾＾思いやりが生まれます。羽生さんの中身をもっとしりたいなあ〜…。もちろんオフレコで(笑) (2019年9月1日 9時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 更新ありがとうございます。深刻なのになんか面白い展開になってますね。ヒロインちゃん、トロントに行っちゃう？お母さんのOKというか、そういう人でないとゆづ本人が納得しないんじゃないかな。逆に、ゆづが選ぶ人はかなりの才色兼備な人ということ。ハードル高い！ (2019年8月31日 18時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そろそろみなみさんからコメントきそうだなーって思ってました！(^_^)私は密かに、結婚しないんじゃないかなーって思ってます。そもそも人を本気で好きになったことなさそう(笑)それにお母さんのオッケーが出なきゃだめっぽくないですか？ (2019年8月31日 6時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年8月7日 17時
