【Ｔシャツ】8 ★ ページ8
「でもさぁ、あのコウくんって子。花山さんのことが好きなんじゃね？」
頬杖をつきながら、不意にさっきの幼なじみとのやり取りを話題にする。
「はぁ？！」
すると明らかに動揺した花山さんが、中央線をはみだしそうになった。
「うわぁ！危ねぇな！」
「だって羽生くんが変なこと言うから！」
「前見てしゃべって。」
「あわあわ！」
なんとか車の体制を元に戻して、再び軽快に走り出す。
「だって幼なじみなんでしょ。しかも明日は試食デート。」
「試食はいつものことなの！デートじゃない。」
あれ？否定するんだ。てことはまだ付き合ってはないのか。
「ふぅん。ま、俺には関係ないけど。」
ハズレたか、と再び視線を窓の外へ移す。
「羽生くんこそ、彼女いないの。」
「え？」
しまった。反撃されるとは思ってなかったので、素で変な声が出た。
俺にその質問をぶつけてくるとは…花山A、いい度胸じゃねぇか。
お決まりのセリフで返してやろうかと思ったら…。
「いるわけないかー。まどかが、羽生くんはスケートとゲームしかしなくて、家から一歩も出ないって言ってたもんね。」
すぐ近くにガチなファンがいたことを引き合いに出されて、先手を打たれる。
そういえば花山さんの家族の中で、妹のまどかちゃんだけ極端に出会う場面が少ない。
一体俺の情報をどこまで知っているのか気になる所だけど、ファンとはあまり深い接触は避けた方が身のためだ。
「俺はスケートしか好きになんねぇから。あと、家からは出ないんじゃなくて、出れない。が正解だから。」
トロントはまだしも、日本で普通に出かけるのなんてほぼアウトだ。
自分一人ならまだいいのだけど、周りに迷惑がかかるのが何より許せないから。
「ごめん、ちょっと言い過ぎた。」
「いいよ…。」
そんな俺に対して、花山さんが素直に謝罪の言葉を口にする。
考えてみれば、こうやって女の子の運転する車に乗っておしゃべりしてるなんて、生まれて初めての経験だ。
しかも、こんなに何の気兼ねもいらない子、珍しいよな。
佳菜とは少し違くて、でも遠慮なくものが言えるなんて、ある意味貴重な存在だ。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね＾＾まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです！狐耳、触りたい〜！！本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後２話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年6月21日 16時
