【ホテル】5 ★ ページ29
★羽生サイド
目の前に、花山さんのぽかーんとした顔がある。
「何その間抜け面。」
まぁ理由は分かる。分かるけど、ここで深刻な雰囲気を醸し出すわけにはいかない。
行為が行為だけに、あくまでもライトな接し方でいかなきゃなんねぇから。
「だ…だって！！」
「俺思ったんだけどさ。」
花山さんの言葉をさえぎって、ここから協力してもらうために自分の考えを述べる。
「お父さんが言ってらしたこと、あながち間違ってないと思うんだよね。」
「あ、え？！」
以前話をさせてもらった時、ソッコーで却下されてたけど、要するに手だけじゃなくて身体ごと触れ合えば、逃げ場が無くなった九尾は、自然と俺の身体から出てくるんじゃないかということだ。
「大丈夫。花山さんに対してやましい気持ちは一切ないから。」
ストップするように片手を前に出す。
これからしようとしている事は、儀式のようなもので男女のそれとは全く違う。
「そ、そ、そんなの！無理だよ…。」
「無理じゃねぇって。やれる。」
安倍晴明だろ？と、お決まりのセリフで持ち上げて、ここは少しでも前向きになってもらわなきゃならない。
「服を脱ぐって…本気で言ってるの…。」
「あ、全部じゃなくていい。」
「当たり前でしょ！」
花山さんが、怒りのあまり立ち上がって抗議してきた。その予想通りの展開に、不謹慎にも笑いそうになる。
「安心して。神さまに誓って何もしないから。」
「それも当たり前！！」
「わっ！」
そう言って、今度はバックをぶん投げてきた。
「帰る。」
「待て！」
それをキャッチして、自分も彼女を追いかけるために立ち上がる。
ここで帰られたら何の進展もないままショーを続けることになってしまう。
また今日みたいなことにならないとも限らないし、僅かな可能性に望みをかけるのは、お客さんに対する最低限の礼儀なのだ。
俺は花山さんの腕を掴んで再び座らせた。
「このままの状態で、お客さんを満足させる演技が出来るわけねぇじゃん。ショーに来てくれる人に、１５０パーセントの羽生結弦を見せなくてどうする。」
「そ、んなの…。」
「何も取って喰おうって訳じゃない。ただ抱き合って、出てきた九尾に触れてくれたら済む話なんだよ。」
そう、ミッションはごく単純なのだ。
「でもだからって、裸でなんて…。」
「気持ちは分かる。俺も抵抗がないわけじゃない。あ、なんなら俺、目隠しするわ。あと下着も許可する。」
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね＾＾まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです！狐耳、触りたい〜！！本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後２話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年6月21日 16時
