【わかるでしょ。】9 ★ ページ46
★羽生サイド
式典を明日に控えた金曜日。今日は目覚めが最高にいい。
和室に寝るの自体久しぶりだし、何より畳のにおいが日本にいることを切に感じさせてくれる。
昨日は実家に帰れなくてがっかりしたけど、ホテルで過ごすよりずっといいかも。
「あぁ〜よく寝た…。」
布団から起き上がって、両腕を上に伸ばしながらあくびをする。
しかもこの部屋は生きていくためのツールが全て揃っていて、まるで別宅のような作りになっている。
社務所って言ってたから、ここで行事などの準備をするんだろうなと思いつつ、まずは顔を洗わせてもらおう。
花山さんと知り合えてラッキーだったな。
九尾のことは、花山さんが手紙をくれなかったら到底わからなかっただろうし、受け入れることもできずにずっと調子の悪さに悩んで、病院に行ってたかもしれない。
世の中には、理解できない不思議な出来事がたくさんあるんだなと気付かされた。
「さて、着替えるか。」
パジャマの上を勢い良く脱ぎながら、頭の中で一日の予定を立ててゆく。
今日は予備日で、明日に控えて準備するだけだから、午後までに家に帰れば問題ない。
実家へ行って、できれば祖父母にも会いたいし…。
かばんから今日着るシャツを取り出した所で、部屋の扉が控えめにノックされた。
「羽生くん、起きてる？」
花山さんの声だ。
８時に朝ごはんを持ってくると言っていたから、そのタイミングで来たのだろう。
腕時計を見ると、８時５分前だった。
「起きてる。どーぞ。」
「おは…わぁっ！！」
扉を開けた花山さんがなぜか驚いた声を上げる。
どうしたのかなと入り口に視線を向けると、恥ずかしそうに顔をおおったまま、立ち尽くしていた。
「どしたの。」
まるで化け物でも見るような素振りだ。
「もう、早く服着てよ！」
「え？だって今から着替えようとしたら花山さんが来たんじゃん。」
「そういう時は、どうぞなんて言わないの！」
目のやり場に困る！と怒られてしまった。
そういうことかよ、いちいち面倒くさいな。
「すぐ着るよ。あ、ちょっと背中のテーピング取ってくんね？」
「え、私が？！」
「昨日お風呂で剥がすの忘れた。早く。」
練習時は激しく身体を動かすから、テーピングは欠かせない。
飛行機の中も相当疲れるから、貼ったままにしていたのだ。
「んもー…。」
男の背中がそんなに珍しいのか、花山さんがものすごく嫌そうに俺の背後にまわった。
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鹿(プロフ) - 雪菜さん» ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。怖い話は苦手です＾＾；今回は心霊とは違うのですが、和風っぽくしたいなと思ってます！＾＾ (2019年6月17日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - おはようございます、新しい話も面白いです！私は昔から心霊とかそういった話が好きです。本当にあった怖い話という ものがあります。そのなかでも山本まゆりさんの恐怖進行刑（ショックリポート）です面白いので読んで見てください (2019年6月16日 9時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 毒ガスが噴き出ているところでしょうか＾＾調べているときに見たような。あまり九尾ネタが広がらなかったらごめんなさい！今回は短めのお話にしようかなーと、更新早めを目指してます！ (2019年6月15日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 新作！ありがとうございます。栃木県の那須塩原市に殺傷石と言う所があって、九尾の狐伝説があります。宜しければご参考まで。また楽しみに読ませて頂きます。 (2019年6月14日 21時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私も調べてみたら、晴明と繋がっていることがわかって、これなら書けるかなーと＾＾神事とかはもう適当でねつ造ばかりなので、突っ込まないでくださいね〜！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年6月10日 16時
