【伝わってない】5 ★ ページ36
どうするか…。
太ももに肘を付きながら頭を抱える。
このままここで別れるのなんて絶対に嫌だし、せっかく復活した繋がりを無下にしたくない。
ブライアンに教えてもらいながら、尚且つプルさんにもアドバイスが貰えるような環境をなんとか作れないか…。
「氷の国の選手だったかな。サトコ・ミヤハラは。」
「え…。」
さっとん？
ふとプルさんから発せられた名前に、はっと顔を上げる。
「彼女のスケートはとても美しい。内に秘めた力強さを感じるし、これでもっとジャンプの精度を上げれば、上位に食い込めるはずだ。」
「彼女はこの国のエースですから。」
プルさんの賛辞に、胸を張って答える。
今回は台を逃したけど、３回転のコンビネーションだってほとんど転ばないし、いつだってミスパーフェクトの異名を持つにふさわしい選手だ、さっとんは。
「それは納得。これからもっとスケートを磨きあげれば、彼女はさらに素晴らしい選手になるよ。」
来季が楽しみだね。とプルさんが笑っている。
それを見ていると、この人は本当にスケートが好きなんだなと実感するし、色んな角度からスケートを見ているのだなと、心から尊敬の念を抱く。
「うちの女子選手は、みんな実力あるんスよ。」
自分の太ももをぱんと叩いて、噛み締めるように告げる。
決して月の国に負けてなどいない。今回はたまたま結果がこうなっただけなのだ。
ほぼ互角の戦いならば、ちょっとしたミスや取りこぼしが勝敗を左右する。
「月の国のコーチは女性なんだけど、色んな意味でとても強いからね。私の意見など、鉄壁の前に崩れ去ったよ。」
苦笑いをしながら、手を広げて困ったようなジェスチャーをする。
そう言えば前にメドベデワが、プルさんは月の国のコーチとは合わなかったって言ってたな。
意見の食い違いはしょうがないけど、俺からしてみればもったいないとしか言えないわ。
「色々あるんですね。」
「今は息子にしか教えていないから、好き勝手できるけどね。」
……。
それもなんだかもったいないなと思う。
こんなに凄い技術を持った人が、身内にしか教えてないなんて。
せめてプルさんの力を思う存分発揮できる、しっかりとした団体に属した方がいいのでは…。
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが＾＾；羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか？いつか本人も、親になってほしいです＾＾ (2019年6月24日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました！何度でも読んでください＾＾私も読みます！とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね！妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました！ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読ませていただきましたー！やっぱりゆづは王子だよね！(´ー｀*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました！(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね！ (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです＾＾あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが＾＾；また何か書ければいいなと思います！ (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年5月25日 9時
