【伝わってない】4 ★ ページ35
「コーチか…。」
「もちろん負けず嫌いな性格もね。」
なぜか意味深に俺を指差して言う。
「あ、ちなみにプルさんは今どこで何をしてるんですか。」
唐突だけど、近況を聞いてみたくなって尋ねると、またまたすごい答えが返ってきた。
「梁(やな)の国で、息子にスケートを教える日々さ。」
「え、結婚してるんですか？！」
知らなかった！しかも子供までいたなんて！
「８年くらい前にね。息子も今じゃ６才だよ。」
慈しむように話す姿を見ながら、共通の話題に嬉しくなって思わず叫ぶ。
「あの、僕にも昨日息子が生まれたんです！」
知ってるとは思ったけど、自分の口からも報告したくなったのだが…。
「そうなのかい？それは知らなかったよ。おめでとう。」
え、まじ？
「あ、ありがとうございます…。」
全然伝わってなくて、自分の声が尻すぼみになってゆく。
くそー、こういう世間知らずな所も変わってねぇ！
「ユヅルの息子か、それは是非とも会いたいね。」
「会ってください、というか、スケート教えてください！」
反射的に机に手をついて、成り行きのような懇願をする。
気まぐれなプルさんには、興味を示したものはとことん推しておかなきゃすぐに忘れちゃうからだ。
「ははは、まだ早いよ。」
「いいえ、今から予約しておかないと、プルさんまたどっか行っちゃうでしょ。」
翔も２才…いや、３才までには氷に乗せたいと思っているし、こんな約束でもしておかないと、プルさんはまたどこかへ行ってしまいそうだ。
「急がなくても、今は梁の国に定住しているからいつでも会えるよ。」
「じゃあそれまで俺に、個人的にスケート教えてください。」
梁の国は、氷の国と隣国関係にある国で比較的近いけど、翔がスケート始めるのなんてまだまだ先だ。
だからそれまで、なんとかプルさんをこの国に繋ぎ止める方法は無いかと頭の中で模索した結果、安易な発言をしてしまう俺。
「ユヅルには優秀なコーチがいるだろう？」
「そ、それはそうだけど…。」
プルさんの言う通り、同時に二人のコーチに師事するなんてありえない。しかも途中からチームに入ってもらう訳にもいかない。
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが＾＾；羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか？いつか本人も、親になってほしいです＾＾ (2019年6月24日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました！何度でも読んでください＾＾私も読みます！とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね！妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました！ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読ませていただきましたー！やっぱりゆづは王子だよね！(´ー｀*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました！(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね！ (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです＾＾あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが＾＾；また何か書ければいいなと思います！ (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年5月25日 9時
