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【伝わってない】2 ★ ページ33

本当に本人なのか…。いや、見た目はまんまプルさんだ、変わってない。
しばし唖然としていると、向こうから話しかけてきた。

「ユヅルが私を探していると聞いて…。」

少し困ったように言われて、半ば無理やり連れてこられたのではと恐縮したのは一瞬で。
もうそんなの俺の知った事じゃない、構うものか。

「そうだよ!今までどこにいたの!」

がしっと腕を掴んで、どこへも行かせないぞという気持ちを込めて叫ぶ。
突然さよならも言わずに自分の前から姿を消したからには、追及する権利があってもいいと思ったのだ。

するととんでもない答えが返ってきた。

「色んな国を転々と…でもユヅルのスケート大会は毎年見に帰って来ていたよ。」

へ??

「毎年?!」

「あぁ。」

てことは、入国のルートから調べてたらもっと早く見つけられたかもしれないってこと…?
ま、まじか…。

「じゃあどうして僕に会いに来てくれなかったんですか?ずっとプルさんを探してたのに!」

ここ近年は大々的に捜索していたわけじゃないけど、手紙の一つでも寄越すだろ普通!

「そうなのか?それは全然知らなかったよ。」

「知らなかったよ、じゃないから。」

とにかく執務室へ入って話をしようと、プルさんの手を引いて扉を閉める。

今日はとことん話し合いたい。そしてこの喜びと不安が入り交じった今の感情を、全部ぶつけたいと、心から思った。





プルさんが氷の国から姿を消した約10年間、意外にもスケートとの繋がりを絶つことは無かったらしい。

「僕はてっきり、スケートが嫌になってこの国から出ていったと思ってましたよ。」

あの頃、色々ルールが変わって、すごくごちゃごちゃしていた時期だったと記憶していたのだが、それは直接的な原因ではなかったようだ。

「自分の技術を誰かに伝えたくなる時期があったんだ。実際、他国からコーチとして声をかけられて、行くべきかとても悩んだよ。」

当時はまだまだ現役真っ只中だったはず。
子供心ながらに、プルさんのスケートが見れなくなって、猛烈に悔しかったのを覚えている。

「じゃあ行く先々では、ずっとコーチをしてたんですか。」

「コーチや振り付けかな。でも選手としてホッケーもやったし、氷の上で出来ることは大概やってきたさ。」

そのプルさんらしい内容に、なぜか納得してしまう。

「相変わらずオールマイティーっすね。」

聞けば聞くほどバイタリティーに溢れていて、思わず笑みがこぼれる。

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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時

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