【SEIMEI】7 ★ ページ16
「わ…軽い、けど重い。」
頭を左側にして抱え込むように抱っこし、よしよしとゆりかごのように優しく揺すったら、時々口をもぐもぐさせる仕草をしてくれて、それがたまらなくかわいい！
「ねぇゆづさん。そろそろこの子の名前を教えてもらってもいいですよね。」
不意にAが待ちかねたように尋ねる。
以前から、生まれるまで内緒、と延ばし延ばしにしていた子供の名前。確かにいつまでも皇子と呼ぶのはかわいそうだ。
「うん。では発表します。えっとねぇ、男の子だから翔。羽生翔くんです。」
わー。と万歳をさせるように翔の小さな手を片方だけ持ち上げる。
「翔くんかぁ…。よろしくね！」
佳菜だよー。と頬を突っつきながら佳菜が真っ先に翔の名前を呼ぶ。
「由来は、未来への飛翔って感じかな。」
「翔くん…。素敵なお名前ですね。」
Aも気に入ってくれたようでほっとする。
そんな中、俺はふと大事な報告をしなきゃいけない事を思い出して、慌てて立ち上がる。
「あ、Aちょっといい？」
抱っこしてる翔を再びAの隣に寝かせて、スーツのポケットに手を入れる。
そして、でれん。と中身を取り出すと、Aが感嘆の声を上げた。
「わぁ…。」
「えへへ。金メダル。」
ちゃんと見えるように目の前にかざすと、満面の笑みで讃えてくれる。
「優勝…おめでとうございます。」
「ありがと。Aにもかけたげるね。」
横になってるから物理的にはちょっと無理があるので、紐を手繰って胸の上にそっと置く形にすると、Aがとても慈悲深い眼差しでメダルに触れた。
「前回と同じ色ですけど、全然違いますね…。」
去年のことを思い出しているのだろうか。
確かにあの時は、お互いまだ少しぎこちなかった部分もあったけど、忘れられない思い出だってたくさんあったよな。
「頑張ったから。Aにも見て欲しくて…頑張った。」
長いスケート期間中はすれ違いも多い。でも今こうして最高の結果を共有できたことで、つらく寂しかった事も無駄じゃなかったのだと思える。
「私のくまさんも、拾ってくれて嬉しかったです…。」
「あれほんとびっくりしたんだからね？…自分で用意したの？」
驚くように尋ねると、横から明るい声が飛び込んできた。
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが＾＾；羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか？いつか本人も、親になってほしいです＾＾ (2019年6月24日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました！何度でも読んでください＾＾私も読みます！とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね！妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました！ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読ませていただきましたー！やっぱりゆづは王子だよね！(´ー｀*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました！(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね！ (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです＾＾あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが＾＾；また何か書ければいいなと思います！ (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年5月25日 9時
