【贈り物】3 ☆ ページ9
「これは…赤ちゃんのおくるみですね。」
「へぇー。あ、角っこが1ヶ所帽子みたいになってる。」
初めて見るのか、王子さまが驚きの声をあげる。
寒い季節の子になるからだろう。まだまだ太陽の国は暑いだろうに、わざわざ暖かい素材で作ってくれて有難いことだ。
大切に使わせてもらおうと、私はひとまずたたんでテーブルに置いた。
「他には何が入っているのでしょう。」
そして再び箱に手を入れて、最初に手に触れた物を取り出すと…。
「あ、ぬいぐるみ!」
かわいい。と、ゆづ王子が私から奪って抱っこした。
「白い虎?でしょうか。」
黒いバケツの様な帽子をかぶっている、20センチ位のぬいぐるみだ。
「見てみて、お腹にカラフルな五つの輪っかと四角い模様が書いてある。」
本当だ。
私の方に向けてくれるぬいぐるみの顔を良く見てみると、デフォルメされた表情がなんとも言えずかわいい。
何かのマスコットキャラクターかな。小さく2018という数字まで入っているから、きっと記念の数字なのだろう。
「皇子のためにくれたんですね。」
「気に入るといいね。」
生まれたら是非同じベッドに寝かせてあげよう。
ひとまずぬいぐるみはそのままゆづ王子に持っていただいて、私はさらに中を探ってゆく。
「では次は…。」
すると今度は四角いボトルのようなものが出てきた。
そこには説明文の様な文字が書いてあって、ゆづ王子が首をかしげながら読んでくれる。
「えっと、なになに?温泉科学のツブがきく…。」
「あ、入浴剤ですね!」
振ってみると粉っぽい音がした。しかも同じ形の色違いが六種類もある。
「ふーん。やっぱ寒さを気にしておられるんだ。」
「せっかくなので今日から使ってみましょう。」
試しにピンク色から…と想像しながら、これもテーブルに並べておく。
「似たようなのが他にも入ってるよ。えっとこれは…。」
そう言ってゆづ王子が取り出したのは…。
「…あ、私が国で使っていたシャンプーとリンスです。」
臭いに敏感になることを見越してだろうか。爽やかな果物の香りがお気に入りで、故郷では毎日使っていたものだ。
今はゆづ王子と同じしっとりとするタイプを使っているけど、時々これが無性に恋しくなっていたのでとても嬉しい。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時