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半ば強制的に連れてこられた、ごはん屋さん。向かいに座ったのぶくんは、早く話せと言わんばかりの表情でこちらを見ている。……若干怒っているようにも感じる。
『………怒ってる?』
「内容による」
『この前ね、かっきーさんに会ったの』
あの日、かっきーさんに会って言われたことも、その後家に来てくれた良平さんと話したことも、そのまま喧嘩して、なってしまった今の状態も全て話した。
「おとちゃんは、もういいの?良平さんのこと」
『………良くない』
「まだ好きだよね?」
『うん』
「原因はおとちゃんにも、ある気がするけど」
『…………はい、』
「良平さんにもあると思う」
『………………』
重い空気に一瞬、スマホを見たのぶくんは、あ、なんて小さな声をあげて、こちらを見た。
「今週末、空いてる?」
『仕事終わった、あとなら。』
「空けといて」
『え?わ、かった』
「場所。作ってあげるから。」
『ん!?え、あ、え?良平さんも来るの?』
「うん」
『自分達で解決する!』
「だめ。決めないと時間かかるでしょ、解決しないまま進むと、おとちゃんが倒れるから」
『………倒れないってば』
「相変わらず忙しいくせに、これが原因で寝れてないのは大問題なんだけど」
『………心配しすぎ』
「俺は、かっきーさんもだけど、今までのおとちゃんの彼氏みんないい人だったと思うけどさ、」
『うん?』
「良平さんといる時が、1番幸せそうだなって思うよ」
『………え、』
「自分でも分かってるんじゃないの?」
『……………』
「はい、じゃあ週末ね』
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作者名:シカク | 作成日時:2021年12月1日 20時