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キッチンで食べれそうなものを簡単に作って温める。仕事が早く終わったから、何の連絡もせず彼女の家にいれば、ふらふらの状態で帰ってきて俺の前で倒れた。

もう、ほんとに俺がいなかったらどうしてたわけ。あの感じなら、絶対俺のこと呼ばないだろ。そんなことを思いながら、器に入れて寝室まで運ぶ。

寝室を開ければ、うっすら目を開けたAと、目があって。



「おじや、作ったけど食べれる?」

『……………うーん、』

「ちょっとだけでも食べて、ほら、」



スプーンですくって口元に持っていけば、大人しく口を開けて。3口くらい食べてくれたけれど。



「もう無理そう?」

『…………ごめん』

「ん、薬飲も。はい、」

『…………ん、ありがと。』



薬を飲んだ彼女には、そのまま横になってもらって。辛そうにした表情に思わず、頭を撫でれば手を取られる。



「どした?」

『撫でてて、ほし、』

「ん、いーよ。おやすみ」



ベッドに軽く座って、さらさらの髪を撫でていれば、だんだんとゆっくりとした寝息が聞こえてくる。

寝たかな、なんて思ったところで頭から手を離して、頬を少し撫でて。こんな時の俺の顔って緩みっぱなしなんだろうなあ、なんて自覚しないでおきたいけれど。


さて、俺はソファで寝ようかな。明日には良くなるといいね。おやすみ。








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作者名:シカク | 作成日時:2021年12月1日 20時

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