ミルクとスフレと【石川界人】

送迎代わりのドライブデート ページ6

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仕事が終わってスマホをタップすれば、15分くらい前に、いつものパーキングいるよ、なんてメッセージ。挨拶もそこそこに現場を出て、目的地まで5分ほどの道を歩く。

着いた先に彼の車を発見して、助手席側からガラス窓を軽く叩く。仕事の終わり時間が大体同じ時はこうして、家まで送ってくれたり、そのままどちらかの家に泊まったり。



「おつかれ」

『お疲れ様。お待たせしました〜』

「ちょっと押した？」

『ちょっとだけね』



そんなたわいもない話をしながら、車は発進する。今日は明日お互い朝早いこともあって、家まで送ってくれる日。彼の車に揺られる30分ほどの時間が好きだ。



「ライブ、決まったんでしょ」

『あ、そう。再来月？から、』

「次のクールのメインも決まって？」

『それは界人もじゃん』

「大丈夫？」

『これまでも同じようなことあったよ。大丈夫。』

「それなら、いいけど」

『あ、でもこうやって一緒に帰れなくなっちゃうかも』

「あー。また会えなくなるか。どこか合わせよっか」

『私が帰ったら界人待っててくれる？』

「ふっ、Aが俺の家で待っててもいいんだよ」



「はい、つーいた」

『ありがとうございました。今日も』

「どういたしまして」

『ねえ、界人』



名前を呼べば不思議そうにこちらを向く彼の腕を引っ張って、軽く唇を合わせる。一瞬目を見開いた彼と目があって。



「………珍しい、どうしたの」

『なんとなく、したくなった、だけ』

「その割にめちゃくちゃ照れるじゃん」

『うるさいー！もう、おやすみ』

「おやすみー(笑)」





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