結局は2人きり ページ13
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日付が回って少し経った頃、雄馬くんは自分の部屋へと戻っていった。残された私と界人は部屋の後片付け中。使ったグラスやお皿を洗っていれば、後ろから腰に手が回ってきた。
『………んー?泡ついちゃうよ』
「こんなんが見たかったんじゃない?雄馬くん」
『ええー?(笑)友達の前じゃ、界人しないでしょ』
「Aも嫌がりそう」
『うーん(笑)恥ずかしくなって振り払っちゃうかもなあ』
「でしょ?だからしない」
『私のためってことだ?』
「そうだよ?」
『んー、納得しづらいなあ(笑)』
「なんで(笑)あ、泡ついた」
『ほら言ったじゃん』
私越しに蛇口から出ている水まで手を伸ばして軽く洗ってタオルで拭いたと思えば、また元の位置に戻ってくる。肩に顎が乗っていて、少しくすぐったい。
『なにー?甘えただね』
「んー、そうね」
『酔ってる?』
「まあ、酔ってはいる」
『界人明日はー?』
「明日急に休みになって」
『え、ほんとに?』
「ほんと。Aは?」
『明日夕方くらいから少しだけ』
明日の予定を言えば、ちょうど洗い物が終わったくらいで、腰に回っていた手が撫でるような動きに変わる。これは、嫌な予感がするな、なんて思っていた時には、もう遅くてTシャツの裾から、彼の手が素肌に触れ始めていた。
『ちょ、界人っ』
「なあに」
『なに、じゃなくて、っ』
そう言いながら彼の方を振り向けば、唇が合わせられる。軽いものではなく、艶やかという表現がぴったりのそれは、ゆっくりと触れ合っているようで、私が呼吸したタイミングを狙ったかのように、彼の舌が口内に入ってきて動き回る。
『っ、ん、かいっ、と』
「……ん、その気になってきた?」
『………………ベットがいい』
「ふは、はーい」
Tシャツを握ってそう言えば、そのまま手を握られて寝室に連れていかれる。自分が要求したくせに、この時間が1番鼓動が速くなるのだった。
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シカク(プロフ) - まるさん» ほんとですね……(^^; わざわざご連絡いただいて、ありがとうございます。私が書いたものではないので、機会があれば聞いてみますね。いつも読んでいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。 (2021年12月7日 12時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - お返事ありがとうございます。あまいハチミツという作品がお相手を良平さんに変えただけのようなかなり似た作品がありましたので気になってお聞きしました。シカク様の作品はどれも好きですので楽しみにしています^_^ (2021年12月7日 6時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - まるさん» こんにちは。私が書いているものは、もしかしたら少し内容が似ているかもしれませんが、作品ページ以外にあるものは書いていませんよ(*・ω・*) (2021年12月7日 0時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 他のお名前でミルクとスフレとに似た物は書かれていますか? (2021年12月6日 22時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます!小説少ないですよね、自己供給してしまいました(笑)呼んでいただけてうれしいです! (2021年8月2日 23時) (レス) id: 8d6bdf9f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シカク | 作成日時:2021年8月2日 18時