釣り合いたい【NJ】 (ページ11)

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窓を開けていると、初夏の風が入り込んでとても気持ちがいい。

しばらく外を眺めて、
NJ「ああ、そろそろ明日の小テストの問題、作らないと」

って小声で呟いて

廊下から外を見ていた体を動かして、教室の前を通り過ぎようとした。

そしたら、人も少なくなった教室の机に置かれた鞄が見えて

椅子に座って、机に頭を預けている…スカート履いてるし、女子だな。

寝ているのか、扉を開けた音にも、俺が教室に入っても動かない。

もしかしたらお腹痛くて帰れないとか？

いや、よく見たら

NJ「チャさん？帰らないの？」

チャ・Aじゃないか。

俺が声をかけて初めて、その存在に気付いたようで
光の速さで頭をあげたチャさんの目は、これでもかってくらい見開かれていて

俺よりも何倍も大きいその目に、吸い込まれそうになった。

チャさんは、
『や、その、えと、あの』

って自分の肩まで伸びている髪を耳にかけながらしどろもどろに話して

この子、耳を触るのが癖なのかな。

あ、耳思ってたよりも小さい。

NJ「朝、びっくりしたね。ごめん、驚かせたかったわけじゃなくて」

『あ、いえ、そんな…びっくりは、しましたね』

はは、と初めて笑ったチャさん。

ほんの少しだけ、普通の女の子であるチャさんに
どこか、ほっとしている自分がいた。