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店の前も、店内もグリーンをモチーフにしたオシャレなカフェ。
気に入って、よく仕事終わりにデスク作業をしようと寄ったりしていて私の第2の居場所みたいになっていた。
まさかそのカフェで、別れ話を告げられるとは思ってもみなかった。
どこか旅行にでも行くのかというくらいのキャリーケースを引っ張ってカフェに入る。
昼過ぎで丁度、オフィスビルのOLたちが昼食が終わって帰る頃で人通りは多い方だった。
いつものカフェラテを注文して外の席に腰を下ろす。
こんな時でも少し仕事はしないといけない。
私もしがない会社員。
給料もそんなに多くないし裕福な生活はできないけれど2人で頑張っていこうと笑いあった元彼との話が頭をよぎる。
ぶんぶんと頭を振って考えないようにパソコンに集中する。
ふと、店内に入っていく男の人に目がいった。
服装は違うが、あの黒い髪の感じとスタイルは彼かもしれない。
1度会っただけで顔もよく覚えてないけれど、傘をさしてくれたことで私は何故か満たされていた。
お礼も伝えたい。
勇気を振り絞って男の人に話しかける。
『あっあの!!あの時…あの雨の日の女なんですけど』
話しかけられて一瞬キョトンとした男の人。
ああ、違うかったのか?てゆうかこの人めちゃくちゃ顔整ってんなー人違い?あの時はそんなに顔も見てなかったからわからない。
「ああ、あの時の!」
ふにゃりと笑った彼に、ホッと心を撫で下ろした。
コーヒーを注文するから少し待っててくださいと言われ、大人しく席で待っていると、目の前に座った彼。
今日はシャツにスキニーパンツ、そんなシンプルな格好でも様になってしまうようなスタイル。羨ましい。
『あの、先日はありがとうございました。お見苦しい所を…』
「ああ、いえとんでもない。大丈夫じゃ無さそうだったから。迷惑だったらどうしようとか思ってました」
ははっと笑う彼。
なんていい青年なんだ。
パッと見私よりは絶対年下だろうなと思う。
『お陰で助かりました。これ、傘を返さなきゃと思って』
「それでカフェに?そんなの良かったのに。でもまた会えて良かったです。」
『そんな…私ここのカフェよく使ってて、会えるかなーと思って試しに来てみたんですけど。私も会えて良かったです』
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uri(プロフ) - りんりんさん» わあ!嬉しいです😂最初の方の作品だからぐだぐだなんですけれども…笑ありがとうございます♥️ (6月25日 22時) (レス) @page43 id: ef26db2c6d (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - もう本当に読んでいるだけなのに、❤️がドキドキしまくりましたww 久々の胸キュンありがとうございました😍とっても読んでいて楽しかったし、終わり方もなんだか感動しちゃって、こっちまで心がポカポカしました💗 (6月25日 22時) (レス) @page43 id: c1731ae876 (このIDを非表示/違反報告)
#ピーチパイ(プロフ) - uriさんの作品気づけば全部読んでしまいまいました!どの作品も面白かったですが、個人的にはこれが1番好きです!大好きです!! (2022年9月24日 22時) (レス) id: 45ed2b8755 (このIDを非表示/違反報告)
かのまる。(プロフ) - uriさん» 読めているので大丈夫です! (2022年7月14日 22時) (レス) id: 3434abd7ee (このIDを非表示/違反報告)
uri(プロフ) - かのまる。さん» かのまる。様 コメントありがとうございます!20ページ、未記入のままで見れなくなっておりました。お話は続いて読めてますでしょうか?いつもありがとうございます! (2022年7月14日 7時) (レス) id: ef26db2c6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uri | 作成日時:2022年6月24日 1時