検索窓
今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:76,055 hit

18. ページ18

-



貴「来ない…」

あれから1ヶ月が経ち、
毎月来るはずのイベントがない。

携帯に入ってる"それ"を管理するアプリを開くと
そろそろ来てもおかしくない。

いつも予定日ピッタリか、1日ズレて来るから
余計にわかりやすい


もちろん、思い当たる節はある。
逆に言えば、"あれ"で、ないわけがない


貴「まじ…?え、いや、まぁ…」

丁度今日は休みで、
予定日も本来なら昨日あたり。
だから、自分の目で確認するのには
もってこいの日


貴「…行こ」

少し不安な気持ちを紛らわすように鍵を握りしめて、
向かうは近くのドラッグストア。


貴「あ、」

目に止まったのはここに来た目的の物
手に取ると、更に心拍数が上がった

素早くレジに向かい、会計を済ませて
軽いはずのレジ袋が重たく感じる


貴「ただいま…」

ドアを開けて玄関に突っ立ったまま
中身を取り出した。

貴「すぐしないと」

トイレに駆け込み、箱を持つ手は温かいのに、
背中は冷たく感じる。

箱から出して軽く説明書を読み、
その通りに済ます。

1分程度で結果は出るらしいが
目を向けずにトイレから出てドアに寄りかかる


貴「見れない…」

少し震える手元を見ると



貴「………いる」

"自分の中"に命が存在する印がくっきりと見えた


見た瞬間、足の力が抜けて
その場にへたり込む

貴「あたし、ママになるんだ…」


すぐに携帯をポケットから出し、
今頃ロケ中であろうあいつに連絡を入れた。


A大毅、リアルパパになったよ


貴「パパジャニ…」

こんな冗談交じりな事が言えるくらいの余裕は
一応まだあるらしい








貴「とりあえず、どうしよう…お母さん電話出るかな」

そわそわしながら、通話履歴から
お母さんの名前を探して電話をかけた



-

19.→←17.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
604人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽんちゃ | 作成日時:2020年5月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。