ぼくっ、りょへ！さんっ！

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貴｢亮平！パパとお風呂入っておいで！｣
深｢せっかくだからママと入りな？｣


そう言った辰哉がソファから立ち上がって
キッチンにいるあたしの隣に並んで来たと思えば
皿洗い中のスポンジをちょっと強引に取られた。

ん？


亮｢ママとはいるー！｣
深｢ほら、ご指名｣
貴｢え、あ、うん、じゃあ、よろしく｣
深｢ん、｣

あたしの顔を一切見ずに
皿を洗う辰哉に少し疑問に思ったけど
亮平に引っ張られて考える隙を与えられなかった


貴｢亮平、今日パパと何したの？｣
亮｢んとねぇ、ねんどとおえかきと、えしりとりもした！｣
貴｢絵しりとりしたの？いい子にできた？｣
亮｢できたよ！おこられてないもん！｣
貴｢パパ、元気だった？｣
亮｢んう？ニコニコだったよー？｣


描いたやつがおにぎりだけしかわからなくて
全然絵しりとりにならなかったらしい

亮平からの証言だと、普段通りだったっぽい


お風呂から上がった頃には
亮平の髪を乾かす辰哉の顔は本当にいつも通りで
気のせいかなって考えに至った。




深｢もう寝てるじゃん、寝かしておいで｣

あたしがいなかった間の出来事を
最初は、色々楽しく話してくれた亮平も
だんだんと首をカクカクし始めて、
遂には完全にシャットアウト



不安だったのは最初だけで、
あたしがいなくても2人で
なんとか生活できた事がわかって安心した

父親として、辰哉にありがたく思った




貴｢パパと一緒でよかったね、亮平｣



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