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「ごめん、いきなりこんなこと言われても困るだけやよね」


黒崎さんは儚げに、そしてどこか哀しそうに笑った。

確かに、彼の言う通り、初対面も同然の彼にそんこと事言われても戸惑うばかりだ。私は彼のことを何も知らない。少なくともあの時の私は無知だからこそ彼からの好意を恐怖と感じ、素直に受け取れなかった。


しかし、今日の彼の言動を間近で見ているうちに、私の彼に対する心境が少しずつ変わっていくのが分かる。

あの時の恐怖は和らいでいて、もしかしたら悪い人ではないのかもしれない、って思い始めている。


「…黒崎さん」

「ん?」

「黒崎さん、私と会ったことあるんだよね?」

「…そうやね」

「申し訳ないけど、私貴方のこと全く覚えてない」

「うん、そのようやね…って急にどしたん?」


黒崎さんは少し傷ついたのか声のトーンが暗くなるが、まるでそれを笑顔で隠すように口角を上に持ち上げた。別に無理して笑わなくたっていいのに。

とにかく、私は彼に一番言いたいことを伝えるべく、彼の笑顔の裏ーー彼の本心へ向けて、口を開いた。


「黒崎さんは私のこと知ってるみたいだけど、私は黒崎さんのこと、何も知らないの。


…だから、教えてほしい。貴方のこと。もっと知りたいの。色んなこと、私に教えて」

「…え?」


まるで頑丈な仮面がパリン、と音を立てて割れたみたいに、黒崎さんから笑顔が消えた。目を大きく見開いていて、彼のいくつもの星粒が散りばめられた瞳が大きく揺れている。


「…ほんまに、言うてるん?」

「うん」

「そっか…そっ、か」


私からこんなこと言うなんて意外だったのかもう一度私に確認を取った後、ふにゃり、とはにかんでみせた。

それがいつもの大人っぽい笑顔とは違くて、けど温もりがあって、こっちの方がひどく人間らしい、だなんて。


「うん、ええよ。何でも教えたる。俺のこと、全部Aに知ってほしいから」


黒崎さんは嬉々としながらそう言うと、それじゃあ早速、と続けて言葉を話した。



「A、この後の時間も俺に頂戴。連れていきたいとこがあるんや」

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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね!(?) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです!この話自分にドストライクすぎてヤバいです…!更新待ってます!! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント&通知登録ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月8日 0時

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