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小さな世界/うらたぬき ページ5

私の世界はいつの間にか小さく変わっていた。




「ねぇ、うらたさん」

「ん?」


夕食のビーフシチューをスプーンで掬いながら私の方へ顔を向けたのは私の旦那さん。


彼と結婚してからだ。こんな風になってしまったのは。


「私も仕事したいな」


彼の眉が一瞬ピクリと、動いた。これを言葉にするのは今回が初めてじゃない。

いつも、彼の返事は決まっている。



「…俺の稼ぎだけで十分やっていけるでしょ」


ほら、まただ。

彼が私が働きに出るのを許してくれた試しなんて一度もない。いや、一度もないから今まで何度も言っているんだけども。

それでもこんなに断られ続けても、引き下がれない理由がこちらにはあった。


「確かにそうかもしれないけど、でも家にずっといっぱなしじゃ、体にも良くないし」


そう、彼は私を家の中から一歩も出そうとしないのだ。


買い物は基本的に彼が仕事帰りに行ってきてくれるので行く必要が無い。


いや、今の言い方には語弊がある。正確には『行かせない』だ。


前に服を買いに行きたいと彼に話したところ、次の日には両手にブランドのロゴが入った紙袋を持って帰宅したという徹底ぶり。

しかもその買ってきた服の全てが私好みのデザインで、まるで私の全てを把握しているように感じて、少々不気味に感じた。


とにかく、彼は私を外に出そうとはしない。

けれど、私だって外の空気を吸いたい。


ここは、彼なりの『愛』が沢山つまりすぎてして、少し息苦しいと感じてしまうから。


「Aさぁ、最近そればっか。何がそんなに不満なの?」


何がって…

色々と言いたいことが喉の奥から込み上げてくるが、結局それらは言の葉となる前に泡のように消えていった。


「ここは俺とAだけの世界なんだよ。誰にも邪魔させない、二人だけの、世界。


ここにいればお前は周りのヤツらと関わらなくていい。俺と心ゆくまま愛し合える。


お前は俺が一生養ってあげる。だから、さ」



ーーお前の世界には、俺以外必要ないでしょ?


そう言って口元を歪ませて怪しく笑ううらたさんに、私はもう、ダメだ、と思ってしまった。


彼と結婚した時から、私の世界は決まってしまったのだ。


私と、うらたさん。マンションの一室。


あぁ、なんて小さい世界なのだろう。

純愛の定義/センラ→←◆



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可愛い後輩ちゃん - なるちゃんの口調そっくりすぎるwwwww🍥🍥 (2022年3月27日 13時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅー - まふまふさんの監禁系お願いします! (2022年2月13日 11時) (レス) @page25 id: 67f46d50a0 (このIDを非表示/違反報告)
月花月 - リクエストです、坂田さんの閉じ込める系お願いします (2020年7月6日 21時) (レス) id: fc0fb56c2a (このIDを非表示/違反報告)
蒼空@リス(プロフ) - いきなりですがリクエスト失礼します、志麻さんで服従系ヤンデレをお願いします!! (2019年7月28日 6時) (レス) id: 9910aa95ba (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - きゃらめるさん» 承りました!!元々、まふまふさん視点は考えてはいたのですが、都合上、本編に載せることが出来なかったので、載せる機会を与えてくださりありがとうございます…!!のろのろ更新ですが、精一杯頑張りますので、宜しければまた見て下さると嬉しいです〜!! (2019年2月14日 0時) (レス) id: 54c8766224 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年9月29日 23時

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