Sugawara Koushi ページ8
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「適当に書いちゃえばいーじゃん」
『ダメでしょ…書き直しさせられる方が面倒じゃん?』
真面目か!?と学級日誌を書く私を見て叫ぶ孝支。
久々に一緒に帰れる日に限って、私は日直になることが多い。
早くしないと先帰っちゃうぞー?とかいいつつ、彼は毎回なんだかんだ待ってくれる。
「はーやーくー」
『もう書き終わる。……ん、終わった』
そう言った途端「よっしゃ先生に出し行くべ!!」と言い孝支は私の腕を掴んで走り出す。
孝支ほど私は脚が早くないので、ほぼ引きずられているような状態で職員室へと向かう。
先生に学級日誌を渡した直後も靴箱まで走る。
…なんでそんなに急ぐのかな。
『なんでそんな急いでるの?今日は下校時間早いし、まだ沢山時間あるでしょ』
「えーだって…出来るだけ長く2人でいる時間増やしたい!!」
『…そ、っか』
にっと笑って、さも当たり前だと言うように笑った彼。
私も、もっと一緒に居たいよ。
思っていても口に出すのは難しい。
私もだよと応えるように、握られた右手にぎゅっと力を込めた。
「!ほんっとかわーいことしてくれるなぁ〜〜??」
『…うるさ、』
余裕そうに笑う彼に腹が立つ。
いつも私ばっかり振り回されて、いつも私だけが照れていて。
『孝支はいつも余裕そうで腹立つ』
「そんなことないべ?」
今も心臓バックバクだぞ〜と言いながら、私の手を彼の胸に持っていく孝支。
…そう言う行動が出来るから余裕そうって言ってるのに。
『孝支』
「ん?」
『大好きだよ』
「……っん!!??っは、ばっ、…えっ」
そう伝えると、顔を真っ赤にして口元を手で覆う彼。
色白なこともあり、照れた時は分かりやすい。
…いつも振り回されているから、たまには振り回す側になるのもいいかもしれない。
素直になるのはやっぱり恥ずかしかったけど、…孝支の照れた姿が見れたから伝えて良かった。
耳まで赤く染め、顔全体を手で隠している彼。
「もーやだ…俺の彼女可愛すぎ…」
『…私の彼氏かっこ良すぎ』
今日はもう振り回されないようにしようと思い、そう言い返す。
「………まさかのカウンターくらったぁ、」
顔を覆う手の隙間から覗いてそう言った孝支。
彼が照れた姿を見れたのが嬉しくて頬が緩む。
手で覆われて隠された彼の表情を想像しながら、また今度伝えてみようかなと思った。
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時雨。(プロフ) - 黒瀬さん» コメントありがとうございます〜〜!!喜んでもらえて何よりです!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 1cbaa373ce (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - クロくんありがとうございます🥰尊いわー (2022年12月22日 21時) (レス) @page14 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - セチソラ@欲さん» ありがとうございます!!コメントとても励みになります…! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
セチソラ@欲 - 素敵な作品ですね!更新頑張って下さい! (2022年10月1日 23時) (レス) @page7 id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
時雨。(プロフ) - サラミさん» ありがとうございます!!これからも更新頑張ります〜!! (2022年9月21日 0時) (レス) id: 1a0f1ee2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨。 | 作成日時:2022年9月11日 11時