何万回だって「君が好き」 (ページ15)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:113,919 hit

赤×桃ページ15

しばらく俺はその場にいた。

ドッキリでした～とか言うてしげが戻ってくるんやないかって思ったから。

でもいくら待っても来なくて、ただただ時間だけが過ぎていった。

青「の、ぞむ？望や。」

桃「あぁ流星か…」

青「え、どうしたん…？」

桃「………振られたわ」

青「…は？」

桃「……しげに…振られた」

言葉に出したとき、俺は失恋したんやって現実を突きつけられた気がして、気づいたら泣いていた。

青「どういうこと…」

そんなん俺も分からへんよ。

俺のこと好きやなかったとか言い出すし。
今までの演技やったん？

だとしたらなんでもっと早く言ってくれなかったんや。

俺に気遣ってたとか？

俺好きな奴に気遣わせてんの？最低やな。

けどさ、なんでしげは辛そうな顔してたん。

あいつはなにを抱えてんねん。

桃「俺のこと好きやなかったんやってさ。俺ほんまアホやな」

青「は…？」

桃「もっとはよ言うてや…笑なぁ？遅すぎんねんて…」

青「望…」

桃「あーあ……好きやったなー…」

ごめんなしげ。
迷惑かもしらんけど、諦められへんわ。

青「の、ぞむ！」

桃「ごめん」

俺は一人で家に帰った。

隣にしげがいない帰り道はいつもより長く感じた。