ニートが8匹 ページ9
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目が覚め、近くのデジタル時計に目をやると
朝の10時半と文字が出ていた。
シゲはどうやら仕事に行ったらしく、
部屋のどこを探し回ってもいなかった。
適当にインスタントのスープを作り、
少し冷えている身体にちょうどいい。
そういえば、夕方になったらシゲのこと、
迎えに行かなあかんのか。
ダルいなぁ、なんて考えながら、
再びベッドに潜り込んで、目をゆっくり閉じた。
はっと目を覚ませば、夕方の18時を指していた。
ああ、そんなに寝てたんか。
思いっきり伸びをして、ふうと息を落とす。
……あかん、そういえばシゲ迎えに行かなあかんのやった。
急いで準備をして、シゲの会社まで少し早足で歩く。
ついた頃には、シゲはもう外に立っていた。
何やら会社の人と喋っているようだった。
「……シゲ、迎え来たよ」
「ああ、重岡の彼女さん?」
「……は?」
さらさらで綺麗な茶髪に、唇が特徴的な人。
どうやらシゲの上司のようで。
「ごめんなぁ、Aちゃん。
この唇ゲルゲさんがどーしても俺の家で呑みたいって言い出して」
「誰が唇ゲルゲや。てか誘ったんお前やろ?」
「あ、そうでしたっけ?」
「もう、ほんまに……。
本当、急で申し訳ないんですけど、お邪魔させてもらいます」
「はあ……」
いや、そもそも私に断る拒否権とかないんで。
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作者名:も。 | 作成日時:2019年10月21日 0時