ONLY YOU ページ17
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(side RED)
重「ジュニアの頃さあ」
「うん？」
ふと思い立って、
隣に座る彼女にぽつりと声を掛ける。
なんとなく目を見て話せなかった俺に、いつもより優しく相槌を打ってくれるのは、昔から変わらず好きなとこ。
重「俺以外にも男いっぱいおったやん、当たり前やけど」
「ん」
重「…けど、俺とおるやん」
「うん」
重「…、その、」
やっぱりやめといたらよかった、って。
思うけど、もう言いかけた手前、やめるのも不自然で。
「…ふふ、やめとく？」
重「、いや、…聞いてええ？」
「うん、どうぞ」
重「なんで、俺やったんかなあ、て」
「……ん？」
重「俺が選ばれた理由、みたいなんが、気になって」
「今頃？」
重「……あかんのかい」
ううん、って小さく吹き出すように笑ったAは一瞬だけ視線を寄越した俺にニコニコと微笑みを返して、いいよお、ってちょっと上機嫌ににやつくから優しく頬を摘んだ。
もちもちの肌を摘まれながら嬉しそうにするのがなんか悔しくて少し眉間に皺を寄せてみれば、その皺を指先が優しくなぞる。
「いつから気になってたん？」
重「さっき」
「嘘やあ、言おうと思ったんはさっきやろ？気になってたんは？」
重「……言わへん」
「あは、長いこと溜め込んでたな」
重「なんやねん、昨日かもしれんやろ」
「はいはい」
すぐ聞いてくれたらいいのに、なんて笑うから、そんなん告白にオッケーもらった時からずっと、とは到底言われへんくて。
ただそれを聞く勇気が出たんが、もうきっとお前のことをずっと繋ぎ留めておけるかもって自信めいたものを得たのが、最近なだけで。
…それを言ってしまうと、呆れたように、嬉しそうに、ちょっとだけ悲しそうに笑うやろうから、黙っとく。
「選ぶっていうか、」
重「ん？」
「好きやなあって思った時から、しげちゃんしか見えてへんから」
重「…は、」
「私は、ただ恋が実っただけやからなあ」
重「…、」
そんなん、烏滸がましい。
お前が全ての権利を持った、お前中心の世界で生きてる俺に、そんな。
「選んでくれてありがとう、しげちゃん」
重「、ちょお、待って」
「ふふ、隠しといてあげる」
重「…俺ほんまお前のこと、大好き」
柔らかい肌に包まれて世界から隠された俺は、ずっと心の奥に隠していた不安の塊が一瞬で暖かく消え去るのを感じながら、好きでたまらん女の腕の中で鼻を啜った。
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竜胆(プロフ) - Snowさん» いつもありがとうございます、更新遅くなることが度々ございますが、また楽しんでいただけますと幸いでございます。更新頑張ります、ありがとうございます！ (5月21日 3時) (
レス) id: 66c4379bf6 (このIDを非表示/違反報告)
Snow(プロフ) - 竜胆さん» いつも更新されるたび、読ませてもらってます！更新頑張ってください (5月4日 6時) (レス) id: 066d296756 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - ゆめちゃんさん» いつもありがとうございます、感想嬉しいです。さようでございましたか、リクエストお応え出来ていたようで何よりでございます。桃とミルクも気に入って頂けて嬉しい限りです、また楽しんでいただけますよう精進いたします。 (2月2日 0時) (レス) id: 66c4379bf6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめちゃん(プロフ) - また今度、桃と白または緑と白のお話書いて下さい。 (1月26日 12時) (レス) id: 90368d297b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめちゃん(プロフ) - いつも楽しくお話を、読ませていただいております。以前、桃と白のちょっとラブのお話を書いて下さいとリクエストして、すぐにお話を書いてくださった事がありました。うれしかったです。今回のこのお話すごく好きです。ニヤニヤしながら何度も読んでいます。 (1月26日 12時) (レス) @page18 id: 90368d297b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆
| 作成日時：2025年1月1日 2時
