白と桃の日常 ページ32
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(side PINK)
「小瀧さん？」
小「なんでしょ」
「楽屋、お隣ですけども」
小「ええやん、俺一緒がいい」
「いやいや」
小「膝枕して〜」
「自由か」
言いながらごろんってソファに寝転んだ俺を、Aは避けずに太腿で受け止めてくれる。
濱ちゃんの膝枕は筋肉質で固いけど、Aの膝枕はほんま柔らかくて気持ちいい。
「セット崩れても知らんで」
小「ええの、また後で直してもらう」
「せっかく格好良いのに」
小「もう1回大きめに言うて？」
「アホ」
ふ、って笑う顔は相変わらず可愛いけど。
みんなといる時と、今日みたいに俺と2人だけで撮影してる時と。
同じようでちょっと違うよな、って思ったりもする。
学校行ってた時を思い出すというか、メンバーから友達に戻るみたいな。
そうぼんやり考える俺の髪に触れる手は、優しく撫でたり梳いたりと気持ち良くて。
膝枕してくれる度に、寝転んだ俺の髪をいじるのは多分彼女のクセなんやと思う。
髪に触れる指先が耳まで滑って、耳朶触ったり頬摘んだり、手持ち無沙汰に俺の輪郭をなぞって遊ぶ。
小「なあ」
「うん？」
小「膝枕しながらキスって憧れん？」
「ええ、体勢しんどいわ」
小「夢ないなぁ自分」
ドラマではたまに見るなあ、って笑うけど。
男だけなんかな、憧れんの。
昼寝とかしてる時にチュッてさ、ええやん。
小「ちょおやってみてや」
「あーほ」
小「して、キス」
「望、ほんまに言うてんの？」
小「ほら」
とは言え、や。
なんぼ俺が真剣に言うたって、するはずないねん。
俺らはただのメンバーで、ただの同級生で、ただの仲良し。
でも、
じっと見上げた視線が彼女の視線と交わって、少し背中を丸めたAの長い髪がカーテンみたいに俺の視界を遮った。
うそや、うそやろ。
小「……、」
「あは、アホみたいな顔してる」
小「…自分ほんま、…あかんで」
「ふふ」
ちゅ、と軽く鼻先に触れた唇が綺麗に弧を描いて、ぽかんと口を開けたままの俺を笑う。
…ああ、びっくりした。
今までに無いような音で、一向に治まる気配のない心臓がバクバク言うてる。
そのせいで、俺のほうが早く出逢ってればなんて、叶いもせんタラレバが封じ込めた心の奥底から顔を覗かせた。
なあ、周りのみんなは知らんけど、
ほんまはA以外に欲しいものなんか無いんやで。
って伝えたら、自分、どんな顔すんのやろな。
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亜由 - 楽しく読まさせて頂いてます。イブとクリスマスのお話が読みたいです。イブはシゲとクリスマスはメンバーと一緒のお話。 (2022年12月23日 16時) (
レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 亜由さん» 亜由さん、コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです、丁度本日書いていたので書き上げる活力になりました。ありがとうございます、それとお待たせしたようですみません。またお時間のある際に覗きに来て頂けると喜びます。楽しんで頂けますと幸いです。 (2022年12月20日 21時) (レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - 遅くにすみません。小説読みました。白と赤の日常のお話が読みたいです。 (2022年12月20日 3時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2022年11月17日 18時
