銀河鉄道の朝： Red (ページ10)

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正解の道？ページ10

side:桃

シゲと流星がおらんこの車両では、微妙な空気が広がりつつあった

『なあ…』

すぐ傍にいた濱ちゃんに話しかけると

濱ちゃんは目で答えてくれた

『…あんさ、俺ああは言ったけど、ホンマは分からへんねん

　…あれが不慮の事故やったとはいえ、シゲを一人で残してしまったんは俺らや

　シゲが納得いくまで待ってあげるのも一つの手なんかもしらんって思ったり

　早く俺らの死から立ち直ってほしいって思ってたり…わけわからへんわ…』

「…俺はそのどっちでもないわ」

濱ちゃんの声が横を通り抜けていく

『…それって！』

振り返った時にはもう濱ちゃんの姿はなくて

代わりに、淳太、神ちゃん、照史の動揺した表情が見えた

「今の…シゲをこっから帰さへんって意味なんかな？」

神ちゃんがゆっくりと口を開いた

「…俺らも、ちゃんと話し合った方がよさそうやな」

最年長の発言が鶴の一声となり

俺らは悟った

各々シゲの事を考えて導き出した答え

それなのにそれぞれ自分の意見に確信はもてない

悩めば悩むほど分からなくなるような疑問の渦

それを…避けて通る事はできないということを