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request…甘×zm ページ24

ゾムはどんな時でも優しい。そして割と甘えた。
感情表現が豊かで、とくに喜と楽が強い。
いつでも私に優しくて、私に構ってもらいたがるゾムだけど。


「ゾム、もう起きたら?お出かけするんでしょ?」

「ん〜…」

「ゾム、ほら。起きてご飯食べて」

「…うるさっ」

揺する手を掴まれて引っ張られ、バランスを崩してベッドに手をつく。
大きな悪戯っ子が薄く目を開けて、普段は見せない危なげな笑みを見せる。
私は、これが見たくてゾムより早く起きる事が多い。

「なんや、構ってほしいん?」

「違くて、準備がね?」

「ふふ、素直に言うてみ?」

寝起きの鼻にかかった声、溶けるような喋り方。

「言われへんのやったらええよ、寝る」

「ゾム…」

寝返りを打ち壁を向いたゾムの背中に、ベッドに上がって抱きつく。
すると、あの悪戯っぽい笑い声。

「くくく、なん。甘えたA」

「…ん」

私が甘えたくなる瞬間。
こっちを向いて自分の腕を枕にして、空いた手で私の頰に触れるゾムを見つめる。

「お前、ほんま…知ってて寝起きに甘えてくんの?」

「何を?」

「…A、ほんま可愛えな」

やや乱暴に、私の頭を引き寄せて口付けされる。
目を開ければゾムは薄目で私を見ていて、唇を合わせながら視線が交わるとその目が弓形になる。

「…朝のがやばいって」

「そんなの知らないもん」

「はえ〜、甘え方上手いよなぁ」

ゾムの手が私の体を優しく這う。
続きを期待して、目が合ったままのゾムの瞳をただ見つめる。

「A、やらしい事考えてるやろ?」

「さあ?私はゾムじゃないもん」

「くくく、結構似てると思うで?俺ら」

「…ゾム」

「言わな分からへんやろ?」


寝起きのゾムは蠱惑的で意地悪で危ない。
それを知ってて起こして、知っててちょっかいを出す。
この駆け引きがたまらなく好きで、多分それをゾムも知っていて、だからお互いの家に泊まる回数は増える。

だけど毎回こうではない。


━━ ぐぅ…


あ、やばい。ゾムのお腹が…。
昨日早くベッドに入ったからお腹減るのも早いんだ!!
ゾムの意識が食欲に行くとダメだ、食べるまで良い雰囲気になれない。

ちょっと寂しいな…。
ゾムから体を離してうつ伏せになる。

「…あむ」

「ひゃあっ!!ゾム?!」

腹減った〜っていつもならベッドを抜け出して行くのに、ゾムは私の上に乗って首に噛み付いてきた。

「まだ大丈夫やで、続きしようや」


そう言って、舌をちらりと覗かせてゾムは笑った。

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作者名:芝谷 | 作成日時:2019年11月6日 19時

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