起きて…tn ページ2
「A〜、お待たせ…寝とる」
連休という事もあり、俺の家に泊まりに来た彼女。
編集作業があり、昼飯を食べてからずっと構えへんかった。
作業も終わって静かやな、と思いながらリビングに行くとソファに丸まって寝とる。
「その小豚はっ!!」
その彼女、Aの腕の中には小豚のぬいぐるみが。
この前ゲーセンで取ってなんとなしその辺に放ってたやつやん。
嘘やん、え、待ってる間にそれ見つけて抱っこしてたん?
「めっちゃ可愛いやん!!」
「んっ…」
あかん、つい可愛すぎて爆発してもうた。
あ、召されそう。てか完全に召されてた。
寝顔見てるだけで過ごせるけど夜やし、流石に起こさな。
てか起こしたい。
なんて言うかな、お疲れ様とか遅いよとかかな。
Aやったらやっぱ、お疲れ様とかやろな。
「A、終わったで」
頭を撫でながら名前を呼ぶと、軽く唸った後にゆっくり目を開けたA。
俺の顔見るなり、にっこり微笑んで両手を広げてきた。
「…どうした?」
「構って?」
こいつ……予想を。
「ほんま…可愛すぎるやろ」
「ん〜っ」
覆い被さるように抱きしめる。
Aは嬉しそうに俺の肩に顔を埋めて、頬擦りしたり背中を何回もぎゅってしたりする。
賢者モードにならんとあかん気がするこれ。
「お疲れ様、トントン」
「ごめんな、待たせて。退屈やったやろ?」
「トントンが作業してるの見るの好きだよ」
咽び泣きそう。
「可愛い奴め、何したい?夕飯にするか?起きたばっかやしあんま腹減ってへんか」
「ん〜…動画観たい!」
「動画ぁ?」
「トントンがカッコいいとこ観たい」
その笑顔、狡いしもう無理。
「…トントン?!」
寝転んでたAを横抱きにして、寝室に連れてく。
俺の腕の中ではしゃぐ彼女をゆっくりベッドに降ろす。
「あんま可愛い事言いすぎ」
「…トントン」
「はあい?」
「寝ちゃわない?」
「寝たら出荷してください」
「ふふっ、しないよ。寝たら一緒に寝るね」
うつ伏せで、足をパタパタして言うA。
顔を埋めるように首筋に口付けすると、くすぐったいよと可愛く笑う。
もし寝ても、お互いそばに居ったらそれでええ。
隣で眠るAを見れるのも幸せや。
「A、好きやで」
「私も好きだよ、トントン」
「眼鏡外さな」
「そのままがいい」
「そうなん?」
「うん、眼鏡してるの好き」
「…はいよ」
寝起きのAは甘えん坊やったなぁ。
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作者名：芝谷
| 作成日時：2019年11月6日 19時
