キス魔なあの子は優等生【竈門炭治郎】

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炭治郎side


ちゅっと柔らかいリップ音がよく聞こえた。

目の前にはしてやったりの顔をしているA。
得意げにしているものの顔は真っ赤だった。

嬉しくなってもっと触れたい欲が出てしまう。
Aがする仕草がいちいち可愛いのがいけないんだ。
止めどきが分からなくなる。

キスをするとほんのり甘くて病み付きになるような匂いがする。
Aからされた日なんてあまりにも強くて脳が麻痺しそうだった。
あの日を境に俺はもっとAにキスがしたくて仕方なくなってしまった。


「…もっとしてくれないか？」


あの時のはしてくれないのか？なんて意地悪な気持ちもあったけど、
今回は純粋にAからしてほしくてお願いをしてみる。
自分からするのは出来るけどなかなかしてと頼むのは慣れない。

やっぱりAをめちゃくちゃにしたいくらいにキスをしたいのだが、
溺愛している相手にキスをされて好意をたくさん貰うのはとてもいい気分になれる。

Aは終始、困惑した様子を見せるも不思議な質問をしてきた。


「私からのキスは好き？」

「どうしてそんなこと聞くんだ」

「私、上手じゃないし炭治郎みたいにさりげなくできないし……」


恥じらうAを見て俺も自然と頬が染まる。


「俺はいつもはキスを受け取ってくれるAがキスしてくれるのは好意を返して貰えたみたいで嬉しくなるし好きだぞ？」

「……」


黙り始めるA、どうしようか考えてる間に俺は恥ずかしくなる。


「そんな照れないでよ、俺だって照れるだろ」


Aが顔を俯き始めるものだから髪を耳にかけてあげる。
さらりとした髪はキスをする時に触れるとどきどきする。

あと一回はキスしたい、そう思った頃だった。

チャイムが鳴った。
……昼休みは終了だ。

体育館の裏、二人でいる時間がずっと続けばいいのに。
昼休みのチャイムは寂しい気分になるから少し嫌いだった。

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